第三話
それから社会から始まった授業は四科目、続いた。昼休みをはさんで午後は、リスのように
何とか無事に一日目が終わったと
私はもう帰ろうとした時、宗一郎から誘われた。
「これからお前の、
私は、ちょっと
部屋の中に入ると、宗一郎は
「取りあえず、俺と翔真が歌う。次はお前に歌ってもらうから、何を歌うか考えておけ。一応、お前の歓迎会だからな」
宗一郎はそう言って翔真と、修二と彰の『青春アミーゴ』を歌った。知らない歌だったので、スマホでググってみた。知らなくて当然だった。昔に放送されたドラマの、主題歌だったからだ。
歌い終わった宗一郎に、「じゃあ次、お前」とマイクを渡された私は、彩音の『いつもこの場所で』を歌った。この歌も古いが、まあ、お
歌い終わりソファーに座った私に、宗一郎が真剣な表情で話し出した。宗一郎が
「う、うん」と私がうなづくと、宗一郎は翔真を
私がまたもや、「う、うん」とうなづくと、宗一郎は
「へえー」と私が感心していると、翔真が話し出した。
「え? 僕の夢を聞きたい? しょうがないなあ~、それじゃあ教えてあげるよ!」
「え? 私、そんなこと
「僕の夢はねえ~、数学の力で地球の
私は、さらに戸惑った。
「え? 数学って、算数の難しいやつだよね? 計算するやつだよね? そんなんで地球の温暖化を、止められるの?」
「うん。春花ちゃん、
私は、素直に答えた。
「ううん。全然、知らない」
「あのね、どんなに複雑な地図でも、四色あれば
私はちょっと考えて、
「へえー」
すると翔真は、
「でね、このことを見つけたのは、数学の力なんだよ。すごいでしょう、数学って!」
「ま、まあ、確かにすごいと思うけど……」
「だからね、僕は大きくなったら数学の力で、地球の温暖化を止める方法を考えるんだ! どう? すごいでしょう~」
「ま、まあね……」と私が答えていると、宗一郎が聞いてきた。
「今度はお前の番だ。お前はどうして、大海にやってきた? 教えてもらおうか」
「え? そ、それは……」と私が言いよどんでいると、宗一郎が顔を近づけて
「俺と翔真は、自分の秘密を話した。だからお前も、自分の秘密を話せ。じゃなきゃ俺たちは、本当の仲間になれない」
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