第二話
フリースクールとは主に、学校に行かなくなった
また、通っていた学校の校長の判断で、フリースクール等の民間施設に通った期間を、
お母さんも頭を下げて、お願いした。
「お願いします、
キリンのように背が高い草間先生は、
微笑を浮かべたまま草間先生は、私の方を向いて聞いてきた。
「
「お願い?」
草間先生の表情は、真剣だった。
「はい。私はこのフリースクール・
私も真剣に、答えた。
「はい」
「そこで、お願いがあります。ここにきたくない時は、こなくてもいいです。でもその理由を、正直に教えて
『ここにきたくない時は、こなくてもいい』と言われて、私は少し
「理由、ですか?」
草間先生は、説明した。『勉強が分からない』、『イヤな人がいる』でも
それを聞いてちょっと安心した私は、答えた。
「はい」
草間先生は真剣な表情のまま、続けた。学校に行かなくなった私は、
私はなるほど、と思い、草間先生の目を真っすぐに見つめて答えた。
「はい、分かりました」
私は後で、草間先生に聞いてみた。なぜ、学校に行かなくなった理由を聞かなかったのかと。初めは草間先生も、理由を聞いたそうだ。でもほとんどが学校でイヤなことがあったという理由で、話す生徒も
だったらもう理由なんてどうでもいい、とにかく学校に行きたくないのなら、大海にきてみてはどうか? と考えるようになったからだと教えてくれた。
更に、なぜ大海という名前にしたのかも聞いた。それはやはり、『井の中の蛙、大海を知らず』ということわざから、付けたと教えてくれた。
●
私がそこまで思い出した時に丸いテーブルに、背が低めの男性がきた。そして、あいさつをした。
「えー、私は
私と萌乃先生のどちらも、よろしくお願いします」
私も、あいさつを返した。
「
すると佐原先生は、二人を見た。
「はい。それじゃあ、この子たちの紹介をしようと思います……」と佐原先生が話している途中で、
「先生。俺たちの自己紹介なら、もう終わりました」
「ああ、そうですか。それじゃあ
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