【完結済】小学五年生 中條春花。
久坂裕介
第一話
「おはようございます、皆さん。今日は新しい生徒を紹介します。
私は少し緊張しながらも、あいさつをして頭を下げた。
「中條春花です。小学五年生です。よろしくお願いします」
教室から、まばらな
「それじゃあ五年生は、あそこの丸いテーブルなので。今日から勉強を、がんばってください」
「はい」と答えた私は
そこには、二人の男の子がイスに座っていた。
まず不愛想な表情の子が、口を開いた。
「俺は
無邪気な表情をした、翔真が続いた。
「よろしく~」
私は頭を下げながら、あいさつをした。
「中條春花です。よろしくお願いします」
●
私とお母さんは、
少し歩くとプレートに『
「はーい!」
「失礼します……」と中に入ると、奥の大きな机で書類を読んでいる、
その人は立ち上がると
「初めまして。私はこのNPO法人『フリースクール・大海』の代表の、草間です。よろしくお願いします」
それにつられてお母さんと私は、頭を下げた。草間先生は
お母さんと私が座ると、草間先生は聞いてきた。
「えーと、春花さんと、お母さんですね? こんにちは」
取りあえず私はまた、頭を下げた。
「はい、中條春花です。こんにちは」
すると草間先生は
「えーと、春花さんは五月の連休が終わってから、学校に行かなくなったんだって?」
お母さんが、困った表情で答えた。
「はい、そうなんですよ。理由を聞いても、教えてくれなくて……」
私はその時はただ、うつむいていた。
すると草間先生は優しく
そして、聞いてきた。それでは明日から、このフリースクール・大海に通ってきてもらいたいんですが、できますか、と。
私は頭を下げて、答えた。
「はい」
学校に行かなくなった理由を聞かれなかったことは、助かった。誰にも言いたくなかったからだ。特に大人には。大人に話したら、『そんなこと、大した理由じゃない。だから学校に行きなさい!』と言われる気がしたからだ。だから学校に行かなくなった理由を聞かなかった草間先生を、私は
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