第5話 仲間とシガ集合

僕らは駅前の図書館で待ち合わせした。朝10時。坂田君以外は時間ピッタリに図書館1Fホール前にいた。「やあー、みんな、すまない。急な集合で。」中島が「いいさ。ヒカルは、いつも急だから。」たかちゃんが「えーっとそこのイケメン君が、あの時のシガ?」シガが,たかちゃんの圧、いわゆる女子の圧に引いている。僕は、間に入り「そうだよ。あの時のシガだ。」「へーえ、あの時のことほんとだったんだ。なんか嘘ぽかったから、私は狐か何かに化かされているって思ってたの。それにあの日のこと誰も何にも言わないから、ほんと今日まですっかり忘れていたわ。シガ、ごめんね。でもこんなにイケメンになってるなんて。今からでもぜひ協力するね。」たかちゃんはシガの両手を握り上下に激しく振った。あー、恐るべし女子の圧力。中島も「そうだよな、あの時一緒にいた藤田さんも急に引越しするし、僕の場合は少し、怖くなったってのが正直なところだった。それで無理にあの日のことはなかったことにしようと、それであっという間の5年が経ったって感じ。シガ、本当にごめん。僕も今から協力するよ。」シガが嬉しそうに「ありがとう。“風鈴”

探し、頼むよ。」僕は「でも、坂田君遅いよな。」たかちゃんが、坂田君、夏期講習あるって言ってたよ。遅れるけど参加するって。」「そうなんだ。なんで僕に返事じゃなくて、たかちゃんにメールするかな。」中島が「男子にメールするより、やっぱり女子にメールした方がいいに決まってるじゃないか。ヒカル、お前も男心わかるだろう?」「えっ、だってたかちゃんだよ。僕より男前だよ。」たかちゃんは思いっきり肘で僕の脇腹を押した。「痛ーい。」シガが「今のは、ヒカルが悪い。女子には優しく。ねえ、たかちゃん。」「さすが、イケメンは、言うことが違うよね。」「じゃ、とりあえず中、入る?」「そうだな。」たかちゃんが、「町の図書館、久しぶり。小学生の時は、いつも来てたのに。そう、ここここ。見て。」僕ら4人は、この図書館では、少し騒がし存在だった。わざとじゃないけど、棚の上の本を取ろうと椅子じゃ、届かなくて、この机を動かしたんだよね。」僕は思い出した。「そうだ。あの時、たかちゃんが、どうしても読みたい本があるって、わがまま言うから。」中島が「そうそう、いつもは真面目な坂田君が、この机、動かしたんだよね。」「そうだ、坂田君が、率先して机を動かして、そのあと、そのまま机の上で遊んでいて、図書館の人に“机の上に乗っちゃダメです。”ってかなり叱られたよね。あれ小2?だっけ。」シガが、「君達って前から仲がいいんだね。あの日会った時も、仲良さそうだったよ。」「遅くなってごめん。」坂田君が付属中学の制服のまま、僕らの輪に参加した。僕は「よし、これでみんな揃った。“シガの風鈴探す会”結成。」たかちゃんが、「シガ、探す前に風鈴のこと詳しく教えて。」遅れて来た坂田君がたかちゃんとシガをチラッと見て「そうだな。その風鈴は地上の風鈴と形は同じなのか?」「そうだな、地上の風鈴と同じ形だ。音も透き通ってとても綺麗な音色だ。ただ、」僕は待てずに「何が違うの?」「風鈴は、しゃべる。」「えーっ!」僕らはハモった。シガが「簡単に言うと“風鈴は生きている”風鈴は時間を止めることができる。もし、誰か、悪い人の手に入ってしまうと僕ら夏の異世界の秩序が変わり、この地上の時間も止まり、みんなの運命も変わってしまう。それも阻止しなければいけない。それに僕の故郷、夏の異世界には風鈴がないと夏の異世界は消えてなくなってしまう。それは地上の花火の存在自体もなくなるし、夏が夏でなくなってしまう。だからお願いだ。風鈴探しを手伝ってほしい。」僕は、なんだか、大変なことになるんだなとぼんやり思った。頭の中に声が飛び込んできた『ヒカル、ぼんやりじゃなくて真剣に探してほしい。』「ごめん、シガ。」僕は口に出してシガに謝った。中島が「ヒカル、どうしたんだ。何を誤っているんだ。」「いや、気にしないでくれ。」僕はシガを見た。「シガ、ところで、風鈴がどこにあるのか、何か手がかりはないのか?」「そうだな、風鈴のある場所はわからない。ただ藤田さんが持っていることだけは、わかった。さっき僕の仲間のセミから情報をえた。しかし藤田さんの居場所が?」僕は、よし、ネットで捜索だ。僕は坂田君を見た。「坂田君、PCググリは、得意分野だろう?」「まあーな。」藤田さんの情報を入れ込み、僕らは捜索をはじめた。








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