#3


「私も旅に出たい!

ねえ、ロナ姉、私、どうしたらいい?

杖を作ったらいいかなあ」


女の子はそう言って、

拾った小枝を無邪気に振り回している。


「旅はとても危険なのよ。

おはなしは、おはなし。

私たちは村で毎日楽しく暮らしているじゃない。

このヴァイドゥーラの村にいれば、

何があっても山の祠の神様が守ってくださるわ」


私がそう返すと、

女の子は眉をハの字にして言い返してきた。


「でも、キーアンのおにいも旅に出たんでしょ?

戻ってきたら連れて行ってもらうんだもん」


私は返す言葉が見つからなかった。

彼が旅に出たのか、無事なのかどうか、

村の誰も知らなかった。

キーアンが姿を消してから、1か月が経つ。

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