第陸章 ヒル〈ダケ〉ナンデス!
匙休め15 カレー「変態」達の集い:二〇二四年第一回神田カレーマイスター会議
第九回の『カクヨムコン』に出した長篇小説の準備や執筆、『KAC』への参加、カク定申告などの諸々の事情で、カレー関連のエッセイが、すっかり〈エタって〉しまっていたのだが、「そうだ、再開しよう」と書き手は考えるに至った。
このタイミングでの再開を書き手に決意させたのは、三月九日の土曜日に、御茶ノ水の「ソラシティ・ホール」で催された「第1回神田カレーマイスター会議&懇親会」である。
この会議は、今回の「神田カレー街食べ歩きスタンプラリー2023」において、何らかの「マイスター」になったカレー猛者達の集いである。
ここで思い出していただきたいのは、今回の「スタンプラリー23」では、五コースに配された〈一四二〉(うち一店は諸事情により途中棄権)のカレー提供店のうち、どのコースでもよいから〈三五〉店訪問の「フリーコース」、あるいは、五つのコースのうちの一つのクリア者には、無印の「神田カレーマイスター」が、二つのコースには「ブロンズマイスター」が、三つには「シルバーマイスター」が、四コースには「ゴールドマイスター」が、そして五つ全ての制覇者には「グランドマイスター」の称号が与えられる、という仕組みになっていた。
今回の会議の冒頭で、委員長が提示したデータによると、いずれかのマイスターになった人数は「一〇八二」名で、前年の「スタンプラリー22」の「一〇六一」に対して、約二〇名ほど増えたそうだ。
このうち、無印のマイスターの数が最も多く、その数は「八三七」名に上るので、無印はたいして難しくないように思えてしまう。
だがしかし、たとえ無印とはいえども、例えば、フリーコースでは、最低三五のカレー提供店を巡り、週一回以上はカレーを店で食べている計算になるのだから、無印のマイスターもまた、〈普通〉を逸脱したカレー猛者だと言えるだろう。
データの提示はさらに続き、「ブロンズ」が「六六」、「シルバー」が「三四」、「ゴールド」が「一八」であった。つまり、ランクが上がるのに反比例して人数が減ってゆくのは、クリア難易度の高さを示していよう。
この理屈で言うと、全コースクリアの人数は一桁のように思えてしまう。
ところが、である。
全コースクリアの「グランド」の称号を授かった者は、なんと「一二七」名だったのだ。
参加するのならば全コースをクリア
このようなカレーに対する高い意識の持ち主、つまり、毎日カレーを食べたり、日に〈七〉食カレーでも厭わない、そんなカレー猛者共を称えるのに、委員長が「変態」という表現を使ったのには首肯するしかない。
ちなみに、書き手も「グランドマイスター」、もとい、カレー「変態」の一人である。
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