3 島とバケモノ
島とバケモノ①
東京都
そのとなりの広大な
「正体不明の依頼人といい、夢みたいな前金の額といい、とびきり嫌な予感がしますね」
SUVが雨でぬめった車道に出ると、運転席のリカルドが苦い声を出した。
前金の非常識な額からして、やんごとなき人物か組織が依頼人でまちがいないとは思うが……。ルナたちの古巣の
古巣の米軍極秘機関がどの程度関わっているのかは定かでないが、そこから独立したインセクト・ケージの口の
それなのに、何度頼んでも依頼主の素性を明かしてはくれなかった。倒すべきバケモノの情報も教えてくれないし、そのバケモノがいるらしい島についてたずねても
よほど、
「嫌な予感がするのは、この仕事の常だ。島にはまず、われわれ三人で向かう」
ルナは頭のなかでスケジュールを確認した。「少佐はあの彼の調査を
「そういや、いましたね、大学生が。例の学生、あれがなんだっていうんですか?」
助手席のドラガンが訊いてくる。それについてはルナのほうが訊きたい。
あの彼、例の大学生、
三間和希の調査を終えたら、ダレン・ガモン少佐も追って島に上陸する予定だ。
「さあな。謎ばかりだ。合流後の、少佐の報告に期待しよう」と答えたルナの声に、雨をぬぐうワイパーの音が重なった。
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