ルナ・シルヴァー③
「〝ムニノンの
うっすら光ったままのルナが左手一本で鉄骨をつかんで力ずくでもぎ取ると、戦闘服の男はのけぞりながらも日本語で
「そのとおりだ。これを確認したかったんだろう、テストなんだから」
力任せに両手でねじ切った鉄骨を投げ捨てる。ルナは全身に力をこめ、さらに光を
「……ああ、もういい。おれの負けだ。こちとらムニノンの光までは使えないんでね。家のローンもまだ残ってる。死ねないよ」
早口になって
「ムニノン……オバケの正体か」
つづけて
そういう言い方もできるだろう。
ムニノンは漢字だと
一定量を
ムニノンは二十年ほど前にアメリカで発見された。それ以来、研究と
「
いささか正確性を欠く
たしかにムニノンは人によって異なる。そのためDNAのように個人の
「最初から色がついていて、さらには個々人で色が異なり、可視化もされうるのは、
大ざっぱにではあるが
この日本人の男は戦闘型ムニノンに適合はしたものの、そうなってからまだ日が
「大尉さんのムニノンの光は綺麗だったよ」
男は苦笑ではない笑みを浮かべ、片手を差しだしてきた。
「不気味と言われることのほうが多いですよ」
ルナも笑顔で
「お
声と足音が聞こえてくる。「さすがは
「三対三の
そう言ってルナの前で立ち止まった男の名前は、
「合格ですよ、大尉」と上から目線でのたまったアダムは、
やわらかそうな
美形だが、線が細い。しゃべり方にも笑顔にも余裕がありすぎて、かえって鼻につく男。というアダムの印象は、ビデオ通話ではじめて会話したときとさして変わらなかった。職業柄、ルナは相手の
メガネをかけなおしたアダムは片手をふってルナと先ほどまで戦っていた戦闘員を下がらせた。気を失ったままの残り二名の戦闘員は、駆けつけた
「これで正式に契約成立だ。
「お
どちらも
坊主頭がリカルド・ゴンザレス
角刈りのほうがドラガン・リャイッチ
ふたりは
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