第14話 終わらない拘束

「達彦、そっち引っ張ってくれ」

健太が指示している声が遠くに聞こえる。


私はまだぼんやりとする頭で2人の会話を聞いていた。

「あと、ラバーに光沢剤を塗ってくれ」

健太の指示に達彦は素直に従っている様子。


“あれ、達彦ってラテックスアレルギーじゃなかったの?ラバー触っても大丈夫なの?“

そんな私の心配を他所に私に光沢剤を塗る手は達彦のような気がした。


まだ、眠気の残る重い瞼を開くと、目の前に達彦がいた。

そして、私のラバーの体に素手で光沢剤を塗っていた。


達彦の手を掴もうとして気づく、手足が全く動かせない。

それに口が塞がっていて上手く話せない。

視界もなんとなくだが、悪い気がする。

マスクをもう一枚被せられたのだろうか。


まだ今の状況が分からない私の耳に健太の声が聞こえてきた。

「こっちは用意できたぞ」

達彦が答える。

「こっちも準備完了だ」

『ポン!』また、スマホの録画開始の音が聞こえてきた。


「じゃあ、そっちを持ち上げるか」

そんなやり取りが聞こえた後、突然私の目の前に健太が現れた。

そして、私の体を反転させうつ伏せにされた。

私は下を見る形で2人に持ち上げられた。


そして、すぐに何をされたか、そして、これから何をされるかが分かった。


目の前に横たわる黒光りする物体。

顔だけが赤いので黒いラバーの寝袋に入れられ真空パックされているのだろう。

それは伊織の姿。

伊織の姿は今の私の鏡のようなもの、私もまたラバーの寝袋に入れられて圧縮されているのだろう。

だから、手足が動かなかったのだと理解できた。


ただ一点、私と伊織には決定的な違いがある。

それは伊織の股間から極太の擬似ペニスが突き出ているという事。

私の股にそんな物が突き刺さっている感触はない。

その代わりに股の辺りがスースーする。


そして、私を持ち上げた2人はゆっくりと伊織の上へと下ろしていく。

“ちょっと待って、あんなの入ったら私壊れちゃう“

そう思って、声を上げるが言葉にならない呻き声しか出ない。

そんな私の中に擬似ペニスはゆっくりと侵入してきた。

私の穴へと模擬ペニスを達彦が差し込んでいのだろうか、足元側が不安定になる。


極太の模擬ペニスに体も心も備えが間に合わない。

「あぁぁぁ、うぅぅぅぅ、うぅぅぅぅ!」

私は呻き声を上げる。

塞がれた口では、それが精一杯だった。


私は伊織の上に覆い被さるように置かれた。

そしてすぐに私たちに首輪が取り付けられる。

首輪と首輪は鎖で繋がっており、私と伊織はノッペラボウの顔を擦り付けるようか形で動けなくなった。


それが終わると足の方でも何かされている。

見えないながらも分かる事は、私の足と伊織の足に何かを巻き付けて2人がくっつけられている。

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