第13話 真実
健太が話し始める。
「どうだい、よく眠れたかい?君たちの枕に仕込んでおいたのは匂いを嗅ぐだけで、何をされても分からないほど、よく眠らせてくれる睡眠薬なんだ」
いつもと変わらない優しい健太の口調だが、嫌な感じしかしない。
「離れ離れになっていた双子が久々の再会したんだ、しっかりと一緒にいた方がいいと思ってね、達彦に協力してもらったんだ」
「そうそう、君たちは今ね、お互いの顔をお互いの股に擦り付けるようになるラバーウェアを着ているだよ」
「体も密着して離れられないようになっているからね、満足に動かせるのは腕と足だけ、でもそれじゃあ、なんにも出来ないよね、ハハハッ」
私も伊織も私たちを密着させているラバーを脱ぐため体を触ってファスナーを探すが全く見つからない。
必死にファスナーを探していると息が乱れ、より多くの酸素を取り込もうと口を動かすと互いの秘部を刺激してしまい力が入らなくなる。
そんな事を何度か繰り返していると、達彦の声が聞こえてきた。
「なあ、健太、2人がお互いを気持ち良くさせ、2人とも絶頂に達する事ができたら、このラバーウエアを脱がせてやるというのはどうだろう?」
「んー、それはいいかもな」
健太も同意した。
「じゃあ、お二人さん聞いての通りだ、脱がせて欲しければどうぞ!」
私は全く見えないラバー越しの伊織の秘部を刺激し始めた。
もちろん、このラバーウエアを脱がせてもらうために。
伊織も仕方なく私の秘部を刺激し始める。
「んー、ん、んーんんん」
さすがと言うべきか、私たち双子は喘ぎ声まで同じタイミングだった。
「んーん、んー、んんんーん」
「ん、ん、ん、んー!」
私たちは体を大きく震わせて逝った。
『ピッッポ』
“ん?やっぱり、あれは気のせいじゃなんかなかった!“
私はお二人さんどうぞの声の後に僅かだが、スマホの動画撮影の開始を告げる音が聞こえたような気がしていた。
スマホで動画撮影されていたという事は、私たちの喘ぎ声はもちろん、どんな姿か分からないが、69の形でお互いを絶頂させた動画が撮られたという事になる。
「じゃあ、健太、この動画早速アップしておくぞ」
達彦の声が聞こえてきた。
「んっんー!」
伊織が抗議するように呻き声を上げるが、私はその呻き声により秘部が刺激されて声が出ない。
「分かった、分かった、落ち着け、約束通り脱がせてやるよ」
伊織の抗議の呻き声は、脱がせてくれではない。
動画をアップするなという抗議の呻き声だろう。
『シュー』『シュー』
絶頂に達して息絶え絶えの私たちの顔の辺りでスプレーの音がすると、すぐに私は耐えられない眠りに襲われた。
“良かった、これでラバーを脱がせてもらえる“
私はそう思いながら瞼を閉じた。
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