第7話 留置所

暑さと息苦しさで目覚めた。

私の日常は戻っては来なかった。

目覚めた場所は、床は固く冷たい留置所だった。


目覚めて程なくして、2人ほどが留置所に入って来るのが分かる。

トリモチで絡み付いたビニールシートを外す作業をしているようだ。

体に何かを塗られた後、ビニールシートが外されていく。

ビニールシートがくっついていようと、トリモチが付いていようと、今の私にはどうでも良かった。

ラバースーツを脱がせて貰えなければ、私の現状は何も変わらないのだから。


ビニールシートに続いて、トリモチも外れたようで、今度は私の体を調べ始める2人。

話し合っている声からして女性警察官のようだ。

ただ、私には首と両手首、両足首に枷が付けられていてラバーを脱ぐことはできなくされている。


女性警察官たちは私に話し掛けて立たせた後、タイトで体に張り付くようなワンピースのスカートを捲り始めた。

脱がせられそうなところはそこくらい、ピッタリとしたパーカーを巻き込みながらお腹の上まで捲り上げられた。


しかし、その下にはハイレグ水着を着せられ、さらにその下にはラバーパンストも履いてる。

女性警察官たちはそれらを見て脱がせるのは無理だと判断したのだろう、捲り上げたワンピースのスカートは元に戻された。


そして、そのまま女性警察官2人に連れられて取調室へと移動した。



取調は男性警察官に代わっていた。

「まずは名前を教えてもらおうか」

男性警察官の言葉に私は答えられない。

その後もいろいろと質問されたが、私の口の中のペニスが邪魔をして言葉を発せられない。


ついには怒り出した警察官に対して、精一杯答えようとしたが、呻き声しか上げられなかった。

結局、取調は中断する形となり留置所へと戻された。


留置所へ戻されても何も好転の兆しはない。

話す事もできず、名前も名乗れない私にはもうなす術がなかった。


“私はこのままラバースーツを着たまま一生を終えるのだろうか?“

私は留置所の隅で泣き崩れるしかなかった。

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