第34話 おかん、 もうしてへんで!
俺のおかん
まー君、またおかんの話しばっかりするからおかんも言わしてもらうで!
今は大人ぶってるけど、
まー君が保育園の時や
いつものように迎えに行って
いつものように帰ってる途中
痛い痛いゆうて泣き出したまーくんが珍しくえらい泣くもんやから
家、急いで家帰ったら
鼻が痛いらしかった
「ま"まま"……いだい〜っ、鼻」
「ちょ、ちょっと見してみ!」
あれ、なんか入ってる?
大きい鼻くそかな……
「ちょっとピンセット取って〜!」
ピンセットで取ろうとしたら
鼻くそらしきモンは偉い硬い
痛いんかして、まーくんは泣くばっかりで、あまりにも辛そうやから柄にもなく焦る私は、旦那を呼ぶ
「ちょっと、暴れるわ……」
「よっぽど痛いんか?」
「分からんけど取ってみるわ」
とりあえず一個、掴めた。
え、ちっさい石や……
「なんやこれ、石入れてんでこの子!」
「アハハハ!何してんねん!」
でもまだ痛そう、今度こそ鼻くそ?
二個目め、
また石や
さっきより少し大きい
まだある……嘘やろ?
まーくんはまだ泣いてる
旦那と顔を見合わせてまさかなって笑いながらピンセットを構えた
「もう一個……あるわアンタ」
「どうやって入れてん!」
三個め、取れた
鼻の穴より少しだけデカい、
長方形の石
「こ、これで全部や……」
安心した途端、旦那は笑いが止まらんようで思わず私も大笑い
まーくんはやっと解放されたと
もう好きなことし始めてる
まーくん、アンタ……
鼻の穴で何作る気やったん
ほんでいつ入れたん?
三つの石ころ見て、この子は天才的な芸術家が、ほんまもんのアホになると思ったけど、普通の大人になってくれてオカンは安心したわ……
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