第35話 それはあかんで、おかん!

俺のおかん



え……おかん、何してんの?



親父の雑誌の棚をおかんが探ってる



そこはあかん!


男同士の約束で、そこは親父の宝物入ってるけど言わへん事になってる



当然おかんの手ぇ止まった


右見て、左見て、後ろ……


俺や……


睨まれた、ヤバい



その時おかん、ポケットにさっとなんか入れた


俺の方見てニヤリ笑ってる


なんやあれは、悪魔か?


たぶん見つけたんや


俺、知らん

なんも見てない事にしよ……



親父帰ってきて棚の雑誌が散らかってる事に気が付いた



これは怒るぞ……俺は知らんぞ……!




おかんそんな親父をまるで獲物を狙う目ようなで見てる


こっわ!何あれ?


そんな親父は俺見てる


……もしかして、俺疑われてる?



「おい、ここ誰か触ったか?」



親父尋ねる

おかん無視


よう平気な顔できるなおかん



親父めっちゃ、は?って感じの微妙な表情


変な空気が流れる中、


おかんが親父にゆう



「なんかやましいもんでもあるんか!」


いや、おかんは何かやましいことしてへんか?


例えば親父のへそくりパクるとか




おかんニヤリとしてる


親父、なんも言われへん



親父の宝物はへそくりのこと


おかんポケット入れた、アレ



俺怖くてどっちもよう言わん


親父は犯人に気付いてるみたい



おかん……食べもんだけちゃうねんな鼻きくのん



親父に返したりや……


おかんは味しめたんかして、

又雑誌の棚を探してる



もうそこにはないで



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