第11話






優しく彼に触れていく。




ーーー僕の指が、どうか、彼を今まで触れた人間の中で、一番優しく触れられていますように。




エマニュエルの身体へひとつひとつ惜しみなく、くちづけていく。


冷えた僕の唇がくすぐったいのか、口づけるたび彼からは慄え声が漏れた。


「…レオ」






欲しがる桜色の唇に引き寄せられてキスを落とした。




滑る舌と舌を絡め合い、体温が上がっていく。


僕の頭の片隅で「何故?」という声が聞こえた気がしたが、目の前の甘い舌に耽溺した。




指を這わせて一つ一つ身体を確かめた。今まで目で追っていただけの身体。


彼の骨の上についた柔らかい肉には無駄がなく、腹についた均等な筋肉、少し盛り上がった肩、どれも芸術的で神が丁寧に丁寧に造ったとしか考えられなかった。


芸術家として神と僕は気が合いそうだと感じた。




そうしているうちに、僕は彼の中にまで入って、彼の美しさを知りたくなった。






上気した耳もとに熱っぽく囁くと、エマニュエルは足を擦り合わせて下腹部をシーツへ擦り付ける。




「逃げないで」


雨が降ったように濡れそぼる彼の先端。


優しく擦ってやる。


「ん…っ!」




慄え声に心が満たされていく。


男として、友人としてーーーー?




「レオ、あっもっと強く…っされたら、おれ…っ」


エマニュエルの昂まった男根を強く握って上下へ擦る。


脈打ち硬さを増す彼自身は絶頂をすぐに迎え、目を固く瞑ってシーツの上へ熱を吐き出した。


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