第6話 森の探検

目の前に広がる壮大な風景を見つめ、ミナとカイは手をつなぎ、謎めいた森へと一歩ずつ足を踏み出した。

木々が優雅に揺ゆれる音、生命を育む土の深い香り、風に乗って遠くから響く小鳥たちの優雅なさえずり。


その全てが未体験で、まるで現実を超えた夢の中にいるかのような感覚だった。

森を進む二人の身には、鏡を通過した時から輝きを放つ特別なアクセサリーが身についていた。


カイの腕には何かを示す記号がきざまれ細かな細工が施された腕輪が、ミナの首元には透明な宝石がきらめくネックレスが、美しく輝いていた。


「カイ、見て!あの花!」


ミナの指が示す方向に目をやると、一目で心を奪われるほど美しい花が咲いていた。

花びらは深く鮮やかなピンク色で、中心部からは金色の光がまばゆく放たれていた。


「確かに、まるで夢の中の花だね。」


とカイがほのかにほほえむと、ミナはすでに次の発見へと足を踏み出していた。


「あの花について何かわかる?」


「それが、分からないんだ。

 だけど、この腕輪が何かを教えてくれるかもしれない。」


森の中は新しい驚きでいっぱいで、見たことのない色と形の蝶々、奇妙な小動物たち、木々からこっそりと顔をのぞかせる精霊たち。


神秘的なアクセサリーがどんな力を持つのか、それはまだ二人にはわからない。

その神秘さを感じつつも、二人はこの新しい世界、新たな冒険を心から楽しんでいた。


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