小学生のミナとカイ:虹

エリナ

第1話 

雨の音が窓ガラスに打ちつける音が部屋に響き渡る中、小学6年生のミナとカイは、カイの部屋の中で格闘ゲームをしていた。


部屋は二人の熱気と画面から放たれる明るい光で満たされていた。

二人のゲームキャラクターは、スクリーン上で激しく戦ってる。

素早くボタンを押す音が部屋中に響いている。


ミナは、自分のキャラクターを操作するためにコントローラーを必死に握りしめていた。

ミナの目は画面に釘付けで、ゲームの勝利に向けて燃えていた。

しかし、その努力にも関わらず、結果はいつもカイの勝利で終わってしまった。


「ダメだった・・・。」


小さくつぶやきながら、悔しそうにコントローラーを見つめた。

しかし、その悔しさはすぐに強い決意に変わる。

ミナはコントローラーをぎゅっと握り直し、カイに熱い視線を向けた。


「もう一回!」


ミナの声ははっきりと部屋に響き渡る。


「今度こそ勝つから!」


ミナは再挑戦の意志を込めて、カイを睨みつける。


「ミナ、今日はもう疲れたんじゃないか?」


「ううん、大丈夫だよ。もう一回だけ!」


カイは、ミナがコントローラーを握りしめているのを見て苦笑いする。


「お前は本当に負けず嫌いだな。」


「そうだよ。だから、もう一回だけやらせて!」


カイは再びコントローラーのボタンを押して、またゲームを開始する。


「分かった、もう一回だけだよ。」


ミナは歯を食いしばり、スクリーンを凝視している。


「今度こそ、絶対に勝つからね!」


二人は再びゲームに集中し、カイの部屋は再び熱戦の場と化す。



「もう一回!今度こそ勝つから!」


「分かった、もう一度だけだよ。でも、休むことも大事だからね。」

(何度でも挑戦する姿は、ミナの魅力でもあるんだよな。)


「もう一回!」


(ミナには勝たせてあげたい。でも、手加減したら・・・。どうしよう。)



「ミナ、タイミングを見逃しているよ。」


「どういうこと?」


「つまり、このゲームは、戦略とタイミングが大事なんだ。」


「うーん、分かったような、分からないような・・・。

 うん、やってみる。今度こそ、次は絶対に負けないから!」


「ミナ。ただ勝つためだけにやっているんじゃないよ。

 楽しむためにやっているんだよ。」


「わかってるよ!

 でも、私、負けるのは嫌なんだよね〜。

 だから、絶対に勝つんだ!」


「分かったよ。じゃ、特別な技を一つ教えるよ。」


「え、ホント?何それ、早く教えて!」


「この技は少し難しいんだけど。

 まず、敵の攻撃を避けるために、こう、左スティックを引くんだ。

 次に、AボタンとBボタンを同時に押す。

 そして・・・。」


「なんだか難しそう・・・。」


「まぁ。一度に全部完璧にはできないから。

 少しずつ、ゆっくりと。

 まずは、一人プレイでやってみてよ。」


「うん、分かった!」





「カイ!見て!この技、できた!」


「ほんとうに?じゃ、もう一回勝負しよう!」


ミナの指は疲れを知らず、コントローラー上を踊るように動き続ける。

彼女の眼差しは、画面上のキャラクターに完全に集中している。


その指先がコントローラーとボタンを優しく、しかし、確実に操作する様子は、まるでピアニストが鍵盤を奏でるようだった。


部屋の中には静寂が広がり、呼吸とコントローラーのボタンが押される音が響きわたっている。

ミナの集中と執念が感じられる。


「くっ・・・、もう一回だ!」


ミナは試行錯誤を繰り返す。

技が成功するたびに小さな歓声を上げ、失敗するたびに小さなため息をつく。

ミナは諦めず、何度でも挑戦を続ける。

ミナの瞳には疲れを知らない闘志が宿っていた。

ひたすらコントローラーを操作し続ける。


ミナの指は、かつてない速さでコントローラーを操作していた。

目は画面に釘付けで、集中力はその極地に達した。

ミナは、カイのキャラクターが次の攻撃を繰り出す瞬間を見逃さず、あの技を発動した。


ミナのキャラクターは画面上で一瞬消え、次の瞬間カイのキャラクターの背後に現れ、強烈な攻撃を繰り出した。


その瞬間、部屋は静まり返った。


そして、最後の攻撃がヒットした瞬間、画面はエフェクトで彩られる。


画面上に「KO」の文字が光り輝き、ミナの勝利が宣言されたのだった。


その瞬間、ミナの頬には幸せな笑顔が広がる。


彼女はコントローラーを離し、両手を天に向けて掲げた。


「やった!勝った!」


彼女の声が部屋中に響き渡る。


「おめでとう、ミナ。君の勝ちだ。」


その言葉はミナの心に深く響き、喜びをさらに増幅させる。

その喜びは、まるで彼女自身が虹のように輝いているかのようであった。





すでに、雨はあがっており、ゲームを終わらせて、カイは、ミナの家へ送っていく。


ミナとカイが家を出て道を歩き始めたとき、彼らは空に虹を見つけた。


虹は空をまたいで美しいアーチを描いており、それはまるで天空の橋のようだった。



ミナの目は虹の色と競うように輝き、小さな手を空に伸ばす。


「見て、カイ!虹だよ!」


-

この物語を改善案を出して



ミナは声を上げ、その笑顔はまるで虹自体のように明るく輝いていた。




この後、二人の新たな不思議な冒険の旅が始まるのでした。


おわり



この物語は、

「秘密組織・異世界冒険探偵団(鏡の世界と時の剣舞)」へと続く

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小学生のミナとカイ:虹 エリナ @erina_clater

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