第4話 王女の失踪

森の木々の間を縫うように歩いていたミナとカイ。

視界が開け、目の前に壮大な城が広がっていた。


「ミナ、あれが僕たちの目指していた城だよ。」


カイが指をさす方向を見たミナの目が大きく見開かれた。

それほどまでに城は美しかった。

ミナはその眺めに魅了され、一言も出せないほどだった。

城は高くそびえ立ち、塔は空に向かって伸びていた。

太陽の光は城壁に反射し、輝きを増していた。

その壮大さは見る者の心を奪い、その美しさは言葉を失わせた。


「すごいよね、カイ。」

「でも、何か変だと思わない?」


ミナはカイの顔を見つめた。

「どういうこと?」


「城に門番がいない。

 あんなに大きな城に門番がいないなんて、変じゃない?」

ミナは頷いた。


「そうね、確かにおかしいわ。

 でも、中に入るしかないわ。」

「そうだな。」

「じゃ、さっそく行こう。」



城門をくぐったミナとカイ。

城内は予想とはまったく違う様子を見せている。

大きな広場では人々が騒いでおり、その表情は恐怖と混乱だった。


「なんでこんなに騒いでるのかな?」

カイは横目でミナを見ながら小さくつぶやく。

「誰かに話しかけてみようか?」


ミナはカイの方に顔を向け、頷きました。

「そうね。」



ミナとカイは、城内の中心部へ行き、近くにいた年老いた女性に話しかけた。


「王女さまが、行方不明に・・・」


そう言って、老女の顔からは絶望の色が滲んでいました。


「それは大変そうですね。」

ミナは、心を痛め心配そうに老女に言った。


「詳しく教えていただけませんか?」

カイは、丁寧に老女に尋ねました。


老女は悲しげな視線を二人に向け、重々しく言った。

「王女様がいなくなると、この世界のバランスが崩れます。

 王女様の存在は、この世界を結びつる鍵なのです・・・」


「教えていただき、ありがとうございます。

 僕たちもできる限りのことをしてみます。」


カイはミナを見つめ、

「ミナ、僕たち・・・何かできることはないのかな?」

と小声で尋ねた。


ミナはカイの目を見つめ返し、少し考えた後で、明るい微笑みを浮かべて言った。


「王女様を探しに行くしかないでしょう。

 私たちには、特別な力があるわ。

 きっと探し出せるよ。」


その言葉はカイの心に火をつけ、二人は王女を探す冒険を決意した。

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