第2話 異世界への旅

手と手を繋ぎ、互いの目を見つめた二人。

約束のように頷き合った後、二人は一歩を踏み出し、鏡の中へ飛び込んだ。


その瞬間、身体を包む温かさ、そして柔らかな光の中に二人は消えていった。

周囲の風景が急激に変化し、新たな風景が広がる。

二人は絶句する。

息をのむほどの美しさ、未知なる世界が、ミナとカイの心を満たす。


「これは・・・。」


ミナの声が静寂を破った。

目の前に広がるのは、輝く緑の森、美しい草原、そして遠くにそびえ立つ壮大な城。

二人がこれまで知っていた世界とは全く異なる、新たなる世界がここにあった。


「信じられない・・・。」


カイの声がミナの言葉を続けた。

眼は大きく見開かれ、驚きと興奮で輝いている。

それは、今まで経験したことのない感覚で、全てが新鮮で、全てが魅力的だった。

同時に二人は混乱していた。

全てが二人の理解を超えていたのだ。


それでも、その興奮と驚きで二人を前に進ませた。

この未知なる世界を探求するために。


「さあ、カイ。冒険の始まりだよ!」


ミナがにっこりと笑い、カイの手を引っ張った。

カイはミナの笑顔に応え頷いた。



目の前に広がる風景を見つめ、ミナとカイは手をつなぎ、未知の森へ足を踏み入れた。

木々が揺れる音、香ばしい土の香り、風に乗って遠くから聞こえてくる小鳥たちのさえずり。


全てが新鮮で、まるで夢を見ているかのようだった。

森を歩く二人の身には、鏡を通った時から不思議なアクセサリーが輝いていた。


カイの腕には細工の込んだ腕輪が、ミナの首元には美しい宝石のネックレスが輝いていた。


「カイ、見て!あの花!」


指差した方向に目を向けると、見たこともない美しい花が咲いていた。

花びらは鮮やかなピンク色で、中心部からは金色の光が放たれていた。


「綺麗だね。」


とカイが微笑むと、ミナはすでに次の発見に向かって走り出していた。

森の中は新しい発見でいっぱいで、見たことのない色と形の蝶々、話すことができる小さな動物たち、木々から顔を覗かせる精霊たち。


不思議なアクセサリーが何をもたらすのか、それはまだわからない。

でも、その不思議さを感じつつも、二人はこの新しい世界、新たな冒険を心から楽しんでいた。

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