第6話僕らの旅の終末
「ご馳走様!」
2人でこの言葉を言ったあと約束通りお店に入った。
そこには同じ事を考えた観光客で賑わっていた。
その中には同じツアーの方々もいた。
「いっぱいありますね〜」
「とりあえず端から見ていきますか!」
「おっけ!」
まず来たのはお菓子コーナー
「色々あるな…」
「無難にまんじゅうか?それともせんべいがいいかな?」
僕なりに考えを巡らせる。
一方汐里さんはというと。
「チョコ美味しそう〜けど溶けそうだしな〜」
「無難に、せんべいとまんじゅう1箱ずつにしよっかな。」
汐里さんは僕と違ってズバッと物事を決めていく。
「大洋さん!」
「私はあのジュース売ってないか探してきます!」
「了解です!」
「自分はお土産だけ決まったら外で待ってますね!」
「おっけいです!」
そうして一旦僕らは別れた。
正直一緒に探してたかったけど…
気を使わせて待たせるのも不甲斐ないし、なんせ頼りない姿を見せたくなかった。
「さぁ。外で待つか。」
僕はドアの横で待った。
ここのマップを見ながら。
そこからしばらくして彼女がようやく店から出てきた。
「お待たせしました〜」
「時間かかっちゃってすみません。」
そう腰を低くして僕に伝えてきた彼女の姿に
胸がドキドキした。
「い、いえ大丈夫ですよ。」
「それよりここからどうします?」
「僕はここの近くの海岸でゆっくりしてから宿泊所に戻りますけど。」
「やる事ないし一緒について行こうかな。」
「せっかくのツアー1人もなんか嫌だし。」
「二人でいた方が楽しいですし!」
僕は感動した。心が高鳴った。
「では一緒に行きますかぁ!」
僕らは歩みを進めた。
その後少ししたあと海が見えてきた。
すると彼女が走り出した。
その姿は 昔の前向きだった自分と重なった。
そして自分も追いかける。
「わぁ!?」
そこには少し赤みがかった海が広がっていた。
いつも見ているはずなのに…違う物のようだった。
「綺麗〜」
目を輝かせながら彼女はそう呟く。
すると、彼女はカバンを漁り、こういった。
「せっかくですし二人で写真撮りませんか?」
「えっ…」
「喜んで。」
いきなりのツーショットの誘いに少し困惑した。けど、自分が報われたようにも感じた。
そして2人は写真を撮った。
「大洋さん。携帯持ってます?」
「持ってますけど…」
「連絡先交換しましょ!写真も共有したいです!」
「喜んで!」
僕にとって憧れの異性との連絡先の交換は、初めてのことだった。
僕の中で満足感が湧き上がった。
それからしばらくそこで感動を共有した後、宿泊所に帰った。
そして2日目も終わりを迎えた。
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