第3話憧れだった"向こう側"へ
ツアー当日
早朝にツアーの集合場所に向かった。
無論1人だ。それに3日間にも及ぶツアー。僕はその事に多少の不安は感じていた。だが、初めて殻を破る事へのワクワクの方が大きかった。
そして遂に時間が来た。
飛行機に乗り込んだ。
初めての飛行機。
初めての離陸。
そしてそこから見るいつもと違った空の風景。
なにもかもが初めて見る光景に思えた。
すると、僕の隣にいた女性?が話しかけてきた。おそらく僕より少し年上の人だ。
「飛行機に乗るのは初めてですか?」
と。
不意をつかれたことにより少しオドオドしてしまったが
「はい!海外に言うのも初めてで…」
と返事をした。
「そうなんですね!私は過去に1度だけ。でも、
一人旅は初の出来事なんです。」
「そうなんですね!少し安心しました!これも何かの運命です。楽しみましょう!」
「はい」
こうして僕の旅が始まった。
飛行機に揺られるなか、朝が早かった事もあり僕は眠りに落ちてしまった。
その中で夢を見た。
海で遊んでいた時、足を攣ってしまい溺れていたとき、2人の観光に来ていたカップルが泳いで助けてくれたというものだった。
そんな夢から目を覚ます。
ふと窓を覗き込むと、そこには一面に"海"が広がっていた。とても青く広い。わ僕の追い求めてきたロマンのひとつだ。
その瞬間を僕は噛み締めるように味わった。
しばらくすると、海の奥に陸が見えてきた。
そう、憧れだった海の向こう側である。
遂に着いたのだ。思わず涙がこぼれそうにだった。
長い間追い求めてきた"もの"が現れてきたのだから…
そして飛行機が着陸。ついにその地に足をつけた。まるで夢のようだった。
ツアーのガイドさんの誘導に着いていきながら周りの風景を楽しむ。いつも見ているはずの木ですら全く別物に感じた。
そしてあの女性が話しかけてきた。
「どうですか?初の海外は。」
「最高です!」
僕は答えた。そして
「お名前伺っても大丈夫ですか?」
と、僕は尋ねた。
二つ返事で彼女はこう答えた。
「二面 汐里(にめん しおり)です!」
「僕は潮見 大洋(うしおみ たいよう )です!」
と言った途端…
「こちらから降りて下さい!」
と指示が飛び、僕らは異国の地での"探検"が始まった。
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