第一話  偽無能「ノア・マリシ―ユ」

私たちは、仲間だ

命を預けられる、総統閣下

何でも聞ける仲間たち

背中を預けられる、相棒


裏切りなどない


一生をこの仲間たちと楽しみ、この仲間たちと、終える


信じて疑わなかった


疑う選択肢など、疾うになかったのだ




すべては、あいつが来てからだった



「今日から幹部として加わる、レディア・キューピッドだ

わからないことが多いと思うから、全員でサポートしていこう」


『はーい』


「よろしくね、?私はノア。ノア・マリシ―ユ!」


「ねぇ、なんかここ甘くない?匂い」







「あんた、邪魔なのよ。出てけ」




そこから、すべては地獄だった


今まで信頼していた仲間からは無能扱い

暴力などは当たり前


飯はもちろんない

飯がなくなりすぎてもう空腹だという感情すらなくなった


書類雑務と任務はあらかた俺の管轄になった

無駄を省くために、風呂には入らない、喋らないようになってしまった

「結局、何ガシタイノ、ハヤク言エ」

話すのに慣れず、片言になった


任務を幹部のすべてをこなすことは常人には難しい

でも、やらないとまた殴られる

それは面倒なので、感情を排した



無理した結果



死ぬ直前まで行った


気絶したのが医務室前で幸運だったのだろう

あまり幹部とのかかわりが少ない軍医が助けてくれた


「ねぇ、ノア。君が気絶するなんていったいどんなことがあったの、?

打撲痕もすごいし殺傷痕もめちゃめちゃあるんだけど、?」


「ナンデモナイ、戻ル(なんでもない、もどる)」


「おい馬鹿ノア、待て」

すごい声で軍医が呼び止める


「、、、ナニ、俺モウ戻ラナイト殺サレルンダケド(なに、俺も戻らないと殺されるんだけど)」


「、、、、何があったのそんなんになるまで」


軍医にはすべてを話した


、、、、そして消された


「ナンデ、、、アイツハカンケーナイヤン、、、俺ノセイナノカ、、?(なんで、彼奴はかんけーないやん、、俺のせいなのか、、?)」









「もういい、出ていく

           無能が出て行ってよかったな」




そうして、私はすべてを捨てて、16年の想いとともに捨てて家であった場所を出た

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