出会い

私の名は柳瀬舞衣。高校1年生だ。

ありきたりな名前、ありきたりな性格、ありきたりな家庭とこの世の普通をこれでもかと詰め込んだような人間、それが私だ。

茜と出会ったのは中学1年の梅雨頃だったと記憶している。私の通っていた中学校は普通の場合お隣の小学校からそのまま繰り上げで上がってくるのだが、私は母と父が離婚し、母が地元に帰るってことでついていくことになった。正直私は父について行きたかった。離婚の原因は父親の不倫だった。小学生の子供がいるっていうのに何しているんだと思ったがそれだけだった。そんなことより今まで育った土地を離れたくなかった。友達と離れるのが嫌だった。大人っていうのはいつも勝手だ。そんな思春期全開の思考を胸にしまった。

話が逸れてた。そんなこんなで私の中学生活は知らない環境、知らない人、知らない土地で始まった。私はいわゆる三白眼で物凄く目つきが悪い。それが災いし友達がびっくりするほどできなかった。すでに完成されたコミュニティだ。そうなることは分かっていたのに、やはり人間凹むもんだなと思った。

そのまま数ヶ月経過した。軽くなら話せる人もできたが体育で二人組組んでと言われればとりあえず最後の方まで残ってる組だった。大親友との出会いはそんな時期だった。その日はとんでもない大雨で警報よ出ろ!出ろ!とテレビに向かって呪詛を垂れ流すレベルのものであった。私の祈りもとい呪いも虚しく、学校から届いたメールは通常授業あります。クソが、、、と女子中学生らしからぬ独り言を漏らし学校へ向かった。

私の学校までの道は歩道がなくそこそこの交通量という結構危険な道を通らされていた。傘がひっくり返りそうな程の風に雨のコンボで私の体は徐々に雨水に侵食されていく。そこにお高そうな車が横を通った、、、、、。水溜りを踏んで私をグッショグショにしてだ。最悪だ。最悪最悪最悪最悪最悪最悪。ちょっと先で赤信号が私に協力するように車を足止めしていてくれてた。この際なんと思われてもいい。

なんか一つ言ってやらんと気が済まん!

もう傘も畳んで黒い高級車を追いかける。何言ってやろうか考えていたらあっという間に追いついた。ふと助手席に座っている女の子に目が行った。人形さんかよ思わず思うほど整った顔だち。着ているのはうちの制服だ。うちの制服は結構おしゃれな方だと思うが着る人が着るとここまでおしゃれに見えるのかと驚いた。ガン見していたからか女の子も私を見つめてきた。私は傍から見ればこんな土砂降りに傘を持っているのに傘も刺さず車の中を見つめる女だ。不審者、もしくは男子小学生のようにきっと彼女の目には写っただろう。余計なこと考えていたせいで信号は青になり、車は行ってしまった。オーバーフローした私の脳内は、もう何も考えられず動けずにいた。私の横を通った車がもう一度私にもう一度水をぶっかけた。

冷めた頭でこーゆー日もある、、、、。と必死に言い聞かせた。

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