第4話

虚無。

それは僕が僕でいたくなくなった証。

生きていたくない証。


そんなことを思いながら、

慣れた手つきで煙草に火をつける。


ふー っと吐き出したその煙に、

僕はたぶん寿命と夢を乗せて

吐き出した煙を眺めながら…

「なんで生きてんだろ…」と

いつもの口癖をいう…


いつも変わらない日を誰が最初 "幸せ" と

呼び始めたのだろう…

そんな事を煙を見ながら考える…


今日も行きたくない仕事に行って…

生きていたくない世の中に生かされて…

生き抜くために、他人と上手く馴れ合う為に、薬を生ぬるい水で飲んで…

僕は思う。また独り言を言う。

「来世ではもっと上手くやろう…」と。

「僕はどうやったら死ねるだろう…」と。


そんなことを言いながら、思いながら、

出かける準備を済ませる。


これはいつものルーティン。


そう。これは、いつものこと。


いつもと違うのは…

僕の隣にいつもいるはずの君は、

もう いないということ…


だって、僕が… 君を…

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