第15話 狩り基本 始まり編
ボアの肉を解体し村の皆に肉を配った後、フェイの提案により2人は森に向かった。
「さて、じゃあ。まず、基本を教えていくぞ」
今回の狩りのフィールドは日が落ちた森、昼の時よりも難易度は上がり危険な魔物たちも出てくる。
「言っておくが村に害をなす魔物以外は倒そうなんて考えるなよ」
「分かってるよ」
行動を先に潰されしょんぼりとするロイ。まぁ、行動制限は当たり前の事だと思うがな。
「さて、ロイ。森に入って最初にやることはなんだ?」
フェイ授業の始まりである。
「はい。魔力探知でも魔物が3匹以上集まっている場所を探します」
ドゴッ‼
フェイがロイの頭を殴る。
「狩人は魔力探知は使えません。それに、根本的なところから間違っています」
そう言うとフェイは辺りを見渡し
「まずは、この草を見つける」
と言い一本の野草を摘む。
「それは…シロナ草か」
ロイが答える。これは、恐らく野草知識があるからだろう。
「正解。じゃあ、効果は分かるか?」
「消臭だな」
即答である。今思うのだがスキルとはその人の技術に当たる。では、野草知識とは何を技術にしているのか…それは、知識量だろう。つまり、ロイは野草知識をⅩで且つ一瞬で習得したと考えれば…一気に脳内に全ての野草に関する情報が流れるという事だろう。そう考えると恐ろしいものだ。
おっと、フェイ授業に戻ろう。
「そうだ。まず、狩人はこの草を燃やし匂いを消す。そうすれば、魔物に気づかれにくくなり狩りの難易度が少し下がる」
そう言うと、何処からかナイフを取り出し素早く木を削り木を擦り火をつけた。そして、シロナ草を燃やしその煙をロイと一緒に被る。煙が落ち着き、フェイはロイに近づき匂いを嗅ぐ
「さぁ、これで匂いが消えたな」
絵面で言えば女性が男の胸に顔をうずめている訳だが…どうなのだろうこの光景…まぁ、犬がご主人の匂いを嗅いでると見れば何とかなるだろう。
「さぁ、森に入るぞ」
フェイがロイの胸から顔を離し、2人は森の奥へと向かう。
そして、森に入りはじめすぐ
「おい、ロイ。これを見ろ」
フェイが何かを見つける。
「ボアの足跡だ。しかも、まだ新しい。近くにいるぞ」
「魔力探知使えばよくね」
ドゴッ‼
「さぁ、この先進むぞ」
ロイの頭にたんこぶが出来ていたがフェイは気にせず森の中に入っていったのだった。
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