第13話 力の制御

さぁ、勇者の話を終えた歓迎会の続きを見よう。

「さぁ。これで全部だ」

完全に満足した様子で話し終えたロイ。そして、それに対するフェイは…。

「あ、粗方理解した」

少し頭を抱えていた。この世の異常ともいえる贈り物ギフト『勇者』の存在。そして、もうこの世の生物では誰も勝てない、そう確信していた。しかし、それ同時だろうかフェイは別の事も考える。

「お前は本当に普通の生活を送れないのか?」

そして、語る。

「確かに、この世界を生きる上で感情は大事だ。だがきっと、その力さえ抑える事が出来れば普通の人間として考え、思い出を作り、生きていけるはずなんだ」

「じゃあ、どうする。俺はこれでもかなり力に制限をかけてるんだぞ?」

力の調整マイナスとは別の弱体化スキル 手加減 これが無いと今のロイが軽く地面を蹴るだけで地上が崩壊するのだった。

「…」

フェイは考える。どうすれば普通の生活を送れるか?

正直、今までの会話からフェイはそんな奴には見えなかった。人間の事はどうでもいいと言った感じの奴に。だが、内心は違ったようだ。誰よりも人間を理解しようとし、他人の問題を自分の問題より優先に解決しようとする。それがフェンリルのフェイという一匹の生き物であった。

フェイはひたすら考える。

そして、歓迎会も終わり夜が終わりかけた頃。フェイは1つの案を思いつく

「…力の調整マイナスの効果時間はあるのか?」

「相手を倒すまでだから実質無限に戦えるぞ」

「なら…」

フェイは説明し、ロイが実演する。

まず、ロイがある程度の強さを持つ魔物を捕まえる。

「ほうほう、ゴブリンを封印フォーカするっと」

次に、小さくし入れ物に詰める。

「ほうほう、圧縮コンプレーションで瓶に詰めるっと」

そして、それに対して力の調節マイナスを使う。

「ほうほう、力の調節マイナスっと」

すると…


ステータス更新


名 前:ロイ・フォーリナー 

体 力:90

 力 :50

魔力量 : 70

耐久力:63

素早さ:80


と変更される。

「…どうだ?」

フェルは心配そうに聞く。成功してくれとフェルは祈った。

「あぁ。成功だな」

「本当か‼やったな」

ロイの力の制御を誰よりもフェイが喜ぶ。

そして、フェイは言う。

「さぁ、ロイ。行くぞ‼」

「何処にだ?」

「そりゃあ、物語をきちんとやり直しにだ」

そう言うとフェイはロイの手を掴み何処かに走り去っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る