第12話 勇者の昔話part2

ロイの魔王討伐1日目

魔王を討伐を終えた。

史実では1年の戦い。しかし、事実は半日で決着が付いていた。

ロイは感じた。楽しめる戦いなど俺には存在しないんだと。

王は焦りながら言う。必ずお前より強い者が現れる。これはロイを励ます為でなく圧倒的戦力であるロイを引き止める為の言葉だった。

そして、ロイが魔王を倒しきっちり1年、奇跡が起こった。

新たな魔王が誕生したのだった。

王は内心で喜んだ。まだ、ロイを国に引き留められると。そして、再びロイは魔王討伐の旅に出る事になった。

今度の魔王退治は2日かかった。

原因は王に仲間の元no

に行ってくれと言われたからであった。しかし、仲間などおらず1日無駄にし魔王討伐へと出かけたのだった。

2人目の魔王を倒してロイは気が付いた。前よりも強くなっていることに。だがそれは決してレベルアップなんてものではない。ロイのスキル観察眼が原因であった。ロイが魔王の事を見たことにより魔王特有のスキルを学習し習得していたのが原因であった。

1人目の魔王から古代呪文ロストスペルを学んだ、2人目からは魔弾を、3人目からは全てを防ぐ盾ガーディアンを…と言った具合にどんどん学習していった。そして、8人目で真実の目ヴァーダッドを手に入れてしまった。

嘘が分かるスキル。これによりロイは王の嘘を知り、ロイは感じる。

もうどうでもいい。とそして、9度目の魔王復活ロイは勇者を辞めた。

辞めて一番最初に向かったところは母の所だった。

8年分の魔王討伐金、きっと母も幸せな生活を送っているだろう。しかし、そこに母と暮らした家はなかった。いや、家だけでなく村そのものが無かった。あるのはデカい袋に入った大量の金貨。王はここでも嘘をついていた、村に手をさないという約束を…。怒り涙し王に復讐を誓った。…というのが普通だがロイの目に涙はなく、それどころか怒りさえもなかった。ただ懐かしむだけ、そして一言

「ただいま」

いつも通りの挨拶だった。すると、

「お帰りなさい」

と何処からか聞こえた気がしたのだった。

そして、ロイは荒れはてた村を綺麗に片付け、10本の十字架を立て

「行ってきます」

とその村跡地を後にした。


この後は君たちが知っているロイの物語、500キロ走って少女シュー・ローソンと出会い[シバノ村]に住み込む。そして、1日で家を建ててフェンリルのフェイとこの話をしている。さぁ、元の話に戻りましょう。

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