第10話 歓迎会
前回ロイから宴に誘われたフェンリル。このまま宴の話をのんびりするのかと思いきや先に用事があるとロイがフェンリルを連れ森の中に入って行ってしまいました。
それから10分後
「ほ、本当にこれで行くのか?」
と森の奥から白い髪の女性が出てきた。見た目的に26歳くらいだろうか?…一つ思ったがこの女性は誰だ?
「人間の姿じゃないと宴に参加できないだろうが」
と言いながら女性の後ろからロイが出てきた。
「そうだが、何故女なんだ‼」
「お前が心の底からその姿を望んだんだろ?」
いまいち話が捕まえない。この2人は何を言っているんだ?
ギャーギャー文句を言い続ける女性それに対しロイは
「うるせえぞ、フェル!いい加減諦めやがれ」
…フェル?この白い髪で綺麗な顔立ちしてる女性が?威厳を出してたあの
「わかった。じゃあ、もう一回あの魔法を使ってやるよ」
と諦めたようにロイは言う
「だけど、もし姿が変わらなかったら一生そのままにしてやるからな」
「あぁ、いいとも」
と睨みあう二人。どうやら答え合わせが始まるようだった。
「いくぞ」
「あぁ、いつでもこい」
さて、何の魔法が…
「我ら崇める愛しき神々よ、我が行う愚かな行為をお許しください」
えっ?ロイが詠唱⁉ていうかこの呪文は…
「我が行うのは魂の具現化、この者の心を具現化したまえ
呪文を唱え終わると天から光が注がれ女性を包み込む。光の中で薄っすらと狼の姿に戻り再び女性の姿に戻る。
しばらくの静寂。その静寂をロイが破った。
「な?」
「我は認めんぞー‼」
フェンリルの叫びが空しく響く。そして、フェンリルの永久女体化が決定した。
「ロイさーん。宴の準備が…あれ?見たことない女性」
と、ある程度の茶番劇を見終わったところで我らが天使シューちゃんの登場だ。恐らくロイを呼びに来たのだろう。
「こいつはフェイ。俺の友人だ」
と笑いをこらえながらロイは言う。フェルから女性ぽいフェイに変わってるあたり悪意を感じる。
「そうでしたか。では、お二人とも早くもう宴は始まりますよ」
疑うことなく
「お父さん、ロイさんを連れてきたよ」
「おぉ。待っておりましたよロイさん」
久しぶりの登場、村長のジョージさんが笑顔でロイを迎える。
「おっと?そちらの方は?」
そして、すぐにフェイの存在に気が付く。まぁ、当たり前か。
「森で出会って一緒にボアを狩ってくれたフェイです」
とロイが説明する。
「あ、そうでしたか。では、お二人とも今日はお楽しみください」
と村長は他の人に声を掛けに行ったのだった。
「ロイさーん、フェイさーん。お肉持ってきましたよ」
村長と入れ替わりでシューが串焼き肉を皿に山盛り持ってくる。
「おっ、良いじゃないか。じゃあ、早速」
と行儀悪く串焼き肉にがっつく。ボアの肉というのは筋肉質で硬いが火を通すと一気に柔らかくなる。口に入れると一気にとろけるそうだ。
「…我も頂こう」
ようやく口を開いたフェイも串焼き肉を頬張る。それにしても上品だな。口の周りが肉汁でベタベタなどこぞの野蛮人も見習って欲しいものだ。
「シューちゃーん」
「はーい。すいません、ちょっと呼ばれたので行ってきます」
シューちゃんは配膳係で忙しそうだ。
「…なぁ、ロイよ」
「なんだ?楽しくないか?」
フェイの宴に似合わない真面目な顔つき。
「いや、我は楽しんでいるぞ。しかし、お前はどうなのだ?」
どうやら何か感じ取っているようだ
「何を言ってるんだ俺は楽しんで…」
「その演技を辞めろと言っているのだ。見ているだけで気持ちの悪い」
フェイが少し怒っているように感じる。
「…いつから気が付いた?」
ロイの言葉が一気に重くなる。
「あの小娘がお前を呼びに来た時からだ」
つまり最初からってことだね。
「もう何も感じてないのだろう?その肉もおいしいと感じない。それどころか空腹も感じてない人間の真似をしてそれっぽく見せているだけだ」
「…」
初めてシューと出会った時、餓死すると言ったがあれは嘘だ。本当は近くに人間の気配を感じ人が倒れていたらどうするのかを試したかっただけだった。
それどころかその前の王様に辞める宣言をしたときの魔物への恐怖、その後の涙さえも彼が今まで見てきた人間を真似したのものだった。
「それも全て、お前が持っている
フェイは知っている彼に与えられた残酷なモノを
ステータス更新
名 前:ロイ・フォーリナー
年 齢 : 19歳
職 業 : 狩人
装 備 : 布の服
体 力:測定不能
力 :測定不能
魔力量 : 測定不能
耐久力:測定不能
素早さ:測定不能
スキル : 妨害 観察眼 大工Ⅴ 創造 伐採Ⅴ 風刃 収納 隠蔽 一閃 力の調整
『勇者』…不明
魔 法 : 妨害 結界 空間魔法 麻痺魔法
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