第9話 勇者の遊び方

過去回想終わった?よし、じゃあ本編に行こうか。えぇと、フェンリルとロイが村の門で出会ったところか。じゃあ、続き行くか。

「久しぶりだな。フェル」

ロイは古くからの友人に出会いご満悦の様だが。フェンリルのフェルは本当に嫌そうな顔をしているのだった。

[ロイ…さん、6年ぶりぐらいですか?]

敬語なのか、フェンリルなのに我とか使うキャラなのに

「いや、9年ぶりだ」

やばい、フェンリルめっちゃ冷汗掻いてる。やばって顔してる。

[そ、そうでしたね。申し訳ありません]

「いや、良いよ。別に気にしてないから」

それは、気にしてるやつの言い方では?まぁ、でも本当にロイは気にしてなさそう、そんな顔してる。

「まぁ、でも久しぶりに会ったんだ。手合わせでもしようか」

それを聞いた瞬間、フェンリルの白銀の毛が一気に真っ青になったように見えた。

「怖がらなくても大丈夫だよフェル。面白いスキルを手に入れてるから」

そう言うとロイはフェンリルから少し離れスキルを発動する。

力の調整マイナス、これは俺が手に入れた唯一手加減する為のスキルだよ」

そして、測定不能だったロイのステータスが測定できるレベルになる。でもこれは…


ステータス更新


名 前:ロイ・フォーリナー

年 齢 : 19歳

職 業 : 狩人

装 備 : 布の服 

体 力:1250

 力 :800

魔力量 : 850

耐久力:750(+3) = 753

素早さ:950

スキル : 妨害 観察眼 大工Ⅴ 創造 伐採Ⅴ 風刃 収納 隠蔽 一閃 力の調整マイナス相手のステータスに合わす

魔 法 : 妨害 結界 空間魔法 麻痺魔法


「やっぱり体が重いね」

と体を軽く動かす。

[…]

フェンリルもその変化に気付いたようだ。

「フェル、これでもやらないのか?」

煽るように笑うロイ、それを見てフェンリルは

[…ふははは。やるに決まっているだろう。日頃の恨みここで晴らしてくれる‼︎]

一気に自信を取り戻し、調子に乗り始めた。

「じゃあ、何処からでもかかっておいで」

どうやらロイは素手でフェンリルに挑むようだ。

[いくぞッ‼︎]

と走り出すフェンリル。そして、ロイを先ほどのように踏みつけ…

「魔法だろ?知ってるよ」

とロイはフェンリルに突っ込む。すると、ロイの元立っていた場所から竜巻が現れた。

「じゃあ、俺の番だぜ?」

と思いっきりフェンリルを殴る。

「ふんッ‼︎」

[グッ‼︎]

フェンリルの足の骨から嫌な音がする。折れては…なさそうだ。それにしても一撃が重い。そして、フェンリルは語る。

[そうだった。いくらステータスが低くなってもスキルのレベルは…]

おそらく変わらないと言おうとしたのだろう。しかし、

「いや、スキルのレベルも下がるぞ」

[…えっ?]

フェンリルは絶望した。

力の調整マイナスは相手に負けるかも知れないってレベルまで力を落とすスキル。だから、俺が使えるスキルの数は制限されてるし、今のはスキルの攻撃じゃないぞ?」

さらにフェンリルは絶望した。唯のパンチにあそこまでダメージを喰らったことに。

[…あぁ、あぁ]

フェンリルは考えるのをやめ、ロイにボコボコにされるのだった。


完全回復フルヒール。おい治ったぞ」

ボコボコだった体の傷が治る。

[…はい。ありがとうございます]

すっかり萎んでしまったフェンリル。なんか可哀想だな。

とここで。

「ロイさーん」

と5話ぶり登場、天使のシュー•ローソンちゃんだ。

「あれ?大きな狼さんだ」

[おー、久しぶりだな人間]

どうやらシューとフェンリルは知り合いのようだ。

「あれシューちゃん、フェルと知り合いだったの?」

「はい、少し前にゴブリンから救ってもらいまして」

シュー、ゴブリンに襲われすぎじゃない?シューは少し照れくさそうにし、用事を思い出す。

「ロイさん。お肉はどれほど取れました?」

「えっと、ボアが1匹、ビックボアが10匹だね」

「凄いですね。ビックボアが10匹もいればこの村は5ヶ月は待ちますよ」

シューは少し嬉しそうだった。まぁ、子供はお肉が好きな子が多いもんな。

「あっ、あと今日ロイさんの歓迎会も行われる予定なので覚えていてくださいね」

そして、ニコッと笑い、フェンリルにお辞儀をし、村の中に戻って行った。

「宴があるのか…」

そして、

「フェル」

[はい]

「お前もくるか?」

なんか珍しく珍しく良いこと言っているロイの姿があった。

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