第5話 勇者辞めて2日目新しい職を見つけ…

前回家を建てた元勇者ロイ。彼は題名のスローライフを無視しガンガン物語を進めていくのだった。そんな彼は現在、仕事を探しに村長の元へ向かった。

「あれ、ロイさん。もう家を建て終わったのですか⁉」

ジョージ村長は驚いた様子で言う。良かった、この物語で珍しくちゃんと反応する人だ。まぁ、そうだな。一瞬とは言っていたが10分で家を建てれるなんて誰も考えないもんな。

「はい、終わりました。でも、一つ問題が出来まして」

「どうされたんですか?」

あっ、でもすぐに対応する人だ。

「仕事が無くて暇になってしまったんですよ」

「なるほど…」

と村長は書類をごそごそし始めた。そして、

「今開いてるのはこれぐらいですかね?」

と三枚の紙を取り出した。

「えっと…狩人に門番になんですかこれ?」

「あぁ、それは違いますね」

と『伝説のドラゴンはいた‼』と書かれた紙がロイの手から抜き取られた。

「おっほん、狩人の仕事は最近狂暴化してる魔物に怯えて逃げてしまいました。そして、門番は最近60歳を超え引退しました」

門番の仕事は楽そうだな。

「狩人の仕事をしますよ」

…君、魔王退治辞めたんだよね。狩人とかするなよ、魔物を狩るなよ。おい。

「そうですか、わかりました。では、狩人の仕事について…」

「あっ、その前に」

おっと、何処か嫌な予感がするぞ。

「門番が必要なんですよね?」

まさか、それもやりますよ。とか言わないよな。

「はい、そうですが」

「なら、この村に結界を張って魔物が近づけないようにしてもいいですか」

予想の斜め上を行ったわ。というか結界か…あの効果は絶大だけど燃費が悪いあの結界をか。

「この村を覆いつくす結界を張れるのですか?」

「まぁ、張れますね。というか、やろうと思えばこの大陸全体に張れますよ」

とニコニコと笑いながら言うロイ。ちなみに結界は自分の周りに張るだけでも結構、持ってかれるんだよな。例えば…火の最上級の魔法を一発撃つ魔力と自分の周りに10秒程、結界を張るのが同じくらいの魔力だな。

「ちょっと待ってくださいね」

と空中に何かを書き始めた。これは…魔法陣か。魔法使いの中でも少数の人間しか持ってない空間魔法の応用、空中投影か。空中に空間を作りそこに魔法陣を描く。すると、魔法陣の中心から魔法が発生する。詠唱よりも威力が高いがスピードが劣る。

「はい、完成しました」

と10秒ほどで書き上げてしまった。いやいや、流石にそんな早いわけが…。

魔法陣の中心から結界が広がる。そして、村の端…よりも少し広いくらいの範囲まで広がった。やりやがったよ、こいつ。

「これで、あと90年ぐらいは持ちますよ」

そして、空中から魔法陣が消える。隠蔽のスキルか。まぁ、確かにデカい魔法陣が家の真ん中にあったら邪魔だもんな。

「おぉ、何という技術をお持ちで…」

「頑張れば誰でも使えますよ」

使える訳がないだろうが。

「では、改めまして狩人の仕事の説明を」

駄目だ、村長も状況を飲み込むのが早い。

村長から話を聞いたロイの仕事は明日から始まるようだった。


ステータス更新


名 前:ロイ・フォーリナー

年 齢 : 19歳

職 業 : 無職 → 狩人

装 備 : 布の服 

体 力:測定不能

 力 :測定不能

魔力量 : 測定不能

耐久力:測定不能

素早さ:測定不能

スキル : 妨害 観察眼 大工Ⅴ 創造 伐採Ⅴ 風刃 収納 隠蔽(様々なものを隠すことが出来る スキル・魔法の妨害もこれが原因)

魔 法 : 妨害 → 妨害 結界(弱い魔物を近づけなくさせる) 空間魔法(空気を固めて触れる事が出来る 術者以外は触れる事が出来ない 応用:空間投影)

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