第2話 新天地を探すのも一苦労
軽く前回のあらすじをしよう。前回は魔王が復活した。だから、勇者様助けてー。となった訳だが、8年間ずっと魔王を倒し続け魔王を倒す事が嫌になった勇者ロイは、魔王退治を断り何処か遠くに行くのだった。
そして、現在のロイの行方と言うのは。
「お腹…空いた」
国から500キロ程離れた位置にて空腹で倒れていた。こいつ、本当に勇者なのだろうかと疑問を持ってしまう。
「あぁ、もう俺は終わりなんだ」
おいおい、そんなマイナスな事を言ったって何も起こらな…。
「大丈夫ですか?」
起こらない事なかった。神に愛され過ぎだろうお前。
さて、こんな奴に声を掛けてくれたのは赤い色の髪をした少女だ。こんなにも優しい少女に、この死にぞこないは、どのように返すのか…。
「しょ」
「しょ?」
「食料を寄越せ」
お前、もう勇者やめて盗賊にでもなれ。おい、嬢ちゃんこんな奴から離れてさっさと逃げ
「今、パンしかないんですけど大丈夫ですか?」
アンタは天使かよ。
そんなこんなで、復活した盗賊…勇者ロイであった。
「助かったよ。シューちゃん」
あれ?勇者よ、お前この少女と知り合いだったのか?
「いえいえ。…あれ?でも、私あなたに名前を言いましたか?」
「いや、言ってないし聞いてない。俺には<観察眼>って言うスキルがあってな。使おうとしなくても勝手に相手の情報が頭に入ってくるんだ」
少し犯罪臭のするスキルだ
「あぁ、そうなんですね」
受け入れが早いな少女よ。そこまで、受け入れの早い人間は初めて見たぞ。
「さて、お腹も起きたし。また、移動するか」
と立ち上がるロイ。おいおい、そこの少女にお礼は無しか?
「と言いたいところだけど」
おっ?
「流石に、ご飯貰って、さようならは無いよね」
お前…お礼をすると言う概念があったのか。そして、少し考えるロイ。思いついた結果は
「この棒を持っておいて」
と何やら棒を渡す。まさか、そんな棒切れがご飯のお礼だなんて言わないだろうな?そのそこらに落ちてそうな棒切れが。
「なんですか、この棒?」
そりゃ、そうなるだろう。流石の天使でも困っているぞ。
「この棒は君が必要な時に求めたものが出てくる様に魔法をかけた棒だ」
そんな物があるなら棒を使ってご飯出せよ。と言うか、なんだその幸せになる壺的なもの、そんな物貰うやつなんて…。
「そうなんですね。ありがとうございます」
あぁ、駄目だ。この純粋無垢な天使。この薄汚い悪魔に騙されてる。
「まぁ、何時でも使っていいよ」
と少女に背を向けるロイ。おいおい、本当にそんな嘘っぽい棒切れ渡して何処か行くのか?流石に幻滅するぞ。
「わかりました。ありがとうございます」
と笑顔な少女。はぁ、もうこんな勇者を追いかけるの辞めてこの可憐な少女を追いかけるか。だって、いい子そうだし。こんなやばい勇者より良いでしょ?
「ばいばい」
「はい、さようなら」
と手を振る少女。さらばだ、勇者よ。また、何処かで野垂れ死にしといてくれ。
一瞬で居なくなった勇者。
さて、今からこの純粋無垢そうな少女の物語が…
[ウ、ウウ]
始まろうとしていた。ってのに何者だ?
[ウウウウー‼]
と茂みからゴブリン…ロード?が姿を現す。
少女よ。急いで、逃げ…何をしてるんだ?その棒切れを握りしめて
[ウウ、ウウウウ‼]
ちょ、早く逃げないと。棍棒が降りかざされて
「えい」
と少女は棒を持ち上げた。すると、棒が光りだした。まさか、ロイが言っていた事は本当だったのか?という事はこの状況を打開できる物が…。しかし、現れたのは
「あれ?もう使っちゃったの?」
ロイであった。そして、そんなロイの頭を棍棒が振り抜かれた。しかし、
「ん?あぁ、成程。ゴブリンロードが現れたのか。なら納得だね」
無傷である。それより棍棒が粉々になってるんだけど。
「という訳で。借りはこれで返すね」
と少女に笑顔を向けゴブリンロードの方へ向きなおす。そして、その辺から木の枝を取り、ゴブリンロードの体向けて軽く振る。
すると、どうだろうか?ゴブリンロードの体が真っ二つになっているではないか。流石に強すぎでは?
「でさ、シューちゃん」
と再び少女の方を向いたロイは今の出来事が無かったかのように聞く。
「この辺で全然知られてない村ってある?」
これが、ロイのスローライフの第一歩目であった。
ステータス更新
名 前 : シュー・ローソン(少女)
年 齢 : 9歳
職 業 : 村人
装 備 : 布の服
体 力 : 40
力 : 5
魔力量 : 7
耐久力 : 0(+3)=3
素早さ : 15
スキル : 料理Ⅱ(料理が上手くなる) 裁縫Ⅰ(裁縫が上手くなる)
魔 法 : 無し
名 前 : ゴブリンロード
年 齢 : 成体
職 業 : ロード
装 備 : 棍棒 藁のパンツ
体 力 : 450
力 : 120(+60)=180
魔力量 : 0
耐久力 : 80(+10)=90
素早さ : 8
スキル : 身体強化Ⅴ 馬鹿力(打撃武器を使うとき力が上がる)
魔 法 : 無し
名 前 : ロイ・フォーリナー
年 齢 : 19歳
職 業 : 元勇者
装 備 : 布の服 木の枝
体 力 : 測定不能
力 : 測定不能
魔力量 : 測定不能
耐久力 : 測定不能
素早さ : 測定不能
スキル : 妨害→妨害 観察眼(相手のステータスを見る事が出来る 常時発動)
魔 法 : 妨害
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます