世界を救うのが嫌になった勇者は田舎でぼちぼちスローライフを送る
ニガムシ
第1話 世界を救え?お断りします
ここは平和な大陸『オルトレイン』
昔、この大陸は魔王と戦争をしていたが勇者の力を用いて人間の勝利をもたらした。
しかし、この平和も長くは続かなかった。
それは、城にて
「王様‼王様‼」
と兵士が叫びながら王座の間に転がり込んだ。
「どうしたのだ。何をそんなに慌てておるのだ」
「それは…」
兵士が息を整え言い放った。
「魔王が復活されたそうです‼」
平和な世界が壊れる瞬間。魔王の復活、皆が焦ると思われたが…
王様の近くにいた。兵士長が言った。
「なんだ、そんな事か。それなら、この住所にこの手紙を届けてこい」
「これは…‼勇者様に助けを申請するのですね。分かりました、今すぐ行ってまいります」
と手紙を受け取り兵士は駆け出した。
勇者宅
「あぁ、そろそろか」
窓の外を憂鬱そうに見ている。ようやく出てきたこいつが今作の主人公こと勇者ライ(19歳)である。
ドンドンドン‼
と扉を叩く音がする。
「…来たか」
ライは重い腰を上げ扉を開ける。
「勇者様、王様がこれを」
「あぁ、知ってるよ。さっさと行こ」
手紙も読まず家を出た勇者。その行動に
「えっ?」
手紙を届けに来た兵士は驚き一瞬止まってからすぐにハッとし勇者に付いて行く。ちなみに、お気づきだろうか?この兵士、結構大変な往復をしている事に…。魔王の観測→王の間→勇者宅→王の間、可哀そうである。
まぁ、そんな事はさておき。
再び城にて
「来たか。勇者よ」
「どうも」
「今回もよろしく頼むぞ」
と頭を下げる王様。魔王退治の依頼を出された勇者の返しは。
「えっ?お断りします」
空気が凍った。魔王退治を断る勇者と言う結構やばい図。
「と言うか、今回は断る為にここに来たんですよ?」
とライは続けて言う。更に、
「しかも、前回。兵士長さん言いましたよね。次魔王が来ても貴方の軍隊で一掃してくれるって。あの約束はどうなったんですか?」
そこで、ようやく口を開いたのは兵士長でも王様でもなく先ほど連れまわされた兵士である。
「えっ?次の魔王…?」
どうやらライが言った兵士長との約束に疑問を持ったようだ
「今回が初めてじゃないんですか?」
その疑問を持つのは正しい。
「あぁ。そっか。うんうん、見たことない人だなぁ。と思っていたら君は新人君なんだね」
という訳で勇者よ
「じゃあ、俺がこの国の秘密について説明するよ」
説明を頼んだ
「この国はな。魔王を倒した俺の功績を隠蔽してるんだよ。どうせ、新人君が知っているのは8年前の魔王戦線だけでしょ?でもね、実際は1年おきに魔王が復活していてね。その都度、俺が倒してたんだよ」
これがこの国の秘密であり、この大陸の一部しか知らない事である。
「さて、話を戻しますが。どうなんですか?兵士長殿?」
「…すまないが、今の現状では到底魔王に勝てるとは…言えないな」
「ですよね」
ニコッと笑うライ。そして、
「だって、オーラが一切見えませんし。そんな事だと思いました」
「そ、それなら」
兵士は兵士長が申し訳なさそうにしている姿を始めてみた。
「でも、嫌です。だって、魔族の悲鳴をもう聞きたくないですし」
「…」
何も言えない兵士長。更に、勇者は続ける。
「新人君は知らないでしょう?リアルな悲鳴を人間より耳に残るんだ」
その言葉はとても重く胸に刺さる。ライは王の間に背を向け言った。
「俺は何処か遠いところでゆっくり暮らすよ。それを言う為に俺はここに来たんだ」
「待て、勇者よ」
ようやく口を開いた王様。その言葉に勇者は振り返る。
「なんですか?」
王様が言った言葉は
「お主、怖気づいたのか?」
止める言葉でもなくお願いする言葉でもなく、煽りであった。
「そうですけど?何か?」
ライは怒らないどころか、その事実を認めた。そして、ライは気が付いた。
「あぁ、そっか。これを渡せって言いたいんですね。それならそうと早く行ってくださいよ」
と手を下に向けると…黄金に輝く剣が出てきた。
「はい、どうぞ。お望み通りの聖剣『ムーンキャスト』ですよ」
と軽く剣を床に刺す。
「まぁ、こいつは俺の言う事しか聞かないけど」
と剣を撫で、少し寂しそう顔をしたが直ぐに笑顔に戻り再び王の間に背を向けた。
「じゃあ、俺はここで」
と去っていく。ちなみに、一つ言うとライの考えは間違っている。王様はライの昔の性格上、煽ると「なんだとー」とやる気になるというのを利用しようとしたのだが8年という月日は人を変えてしまったようだ。
勇者が居なくなった王の間は静まり返りただ真ん中に黄金の剣が刺さっているだけだった。
城をそして国を後にしたライは
「ふふ、言ってやった。俺は自由になったんだ」
と涙を流していた。
これは不憫な勇者ライが自分らしい生活を見つけて送る人生物語である。
ステータス更新
名 前:ビリー・アーミー(新人君)
年 齢 : 18歳
職 業 : 兵士
装 備:鉄の鎧 鉄の剣
体 力:85
力 :40(+20)=60
魔力量 : 20
耐久力:20(+65)=85
素早さ:48(−15)=33
スキル : 剣技I(剣を使う時が力が上がる) 薬草知識II(薬草について詳しくなる)
魔 法 : 無し
名 前 : テッド・ウォーリー(兵士長)
年 齢 : 38歳
職 業 : 兵士長
装 備 : 鉄の鎧 鉄の剣
体 力 : 120
力 : 80(+20)=100
魔力量 : 50
耐久力 : 60(+65)=125
素早さ : 88(±0)=88
スキル : 剣技Ⅳ 薬草知識Ⅴ 指導技術Ⅲ(人の育成が上手くなる) 身体強化Ⅴ(能力値に補正をかける)
魔 法 : 火魔法Ⅰ(火の魔法が使える)
名 前 : ロイ・フォーリナー
年 齢 : 19歳
職 業 : 勇者→元勇者
装 備 : 布の服 聖剣『ムーンキャスト』→素手
体 力 : 測定不能
力 : 測定不能
魔力量 : 測定不能
耐久力 : 測定不能
素早さ : 測定不能
スキル : 妨害(見る事が出来ない)
魔 法 : 妨害
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