処刑器具の嗤い

少し前、あるテレビ番組の企画が人気を博していた。

いわゆるドッキリ企画に該当するものだが、かなり刺激的なものだった。
ざっくり内容を要約すると、以下の通りになる。
　
「標的の男性にドッキリ役の女性が接近する。メールのやり取りや、思わせぶりな交流を通じて恋愛感情を呼び起こさせ、最終的にはデートに嬉々として現れた標的を落とし穴に嵌める」

この企画は（当然だが）賛否両論になった。
しかし、娯楽の本質を理解するのに、これほど適切な教材は中々見られない。観ている側としても理屈では「可哀想だ」と思いつつ、やはり抜群に面白かったと記憶している。
人の悲運・非業・滑稽を嗤うのは、強烈な快楽をもたらすものだ。
そのものずばり「他人の不幸は蜜の味」とも表現される。

さて今回は蜜を生み出すことに長けた一人…続きを読む