第6話
「ごめんね、遅くなって」
扉を開けた紺野さんは申し訳なさそうに手を合わせながら小走りで来た。
「いや、全然いいんだけど……先生、とか来ないから、仕事ほんとにあるのかなって思ったり、思わなかったり……」
やはり人間と特に女子という生き物に話し慣れていない僕はしどろもどろになりながらも言葉を選んで紡いだ。よくやったぞ、僕。
「あー、それなんだけど、仕事、本当は今日ないんだよね。先生からの呼び出しも嘘で…」
…ちょっと待って。どういうことですか。
僕の心の内を読んだかのように紺野さんは曖昧に微笑んだ。
「ほんとはさ、こんなこと今言うべきじゃないんだろうけど、新美くんさ、ホンカキってアプリで小説投稿してるでしょ?吉南っていうペンネームで」
……え。思ってもいない方向からの投槍だぞ、これは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます