第5話

長いホームルームが終わり、入学時からさほど変わっていないリュックサックを持ち上げ、図書館へ向かう。教室棟からほど遠い本館棟の4階。階段は踏むたびに崩れ落ちそうなほどの悲鳴をあげる。そしてやはりと言うべきか、当然と言うべきか、図書館には誰一人といない。せめて司書さんでもいたらさっさと仕事をして家に帰れるのに……。

特に誰かが来る様子もないが、来いと言われた手前、すぐに帰るわけにはいかないので図書館をぐるりと回ることにした。ずっと使われていないカウンターや本棚、カーテンには埃が溜まっている。図書委員があるとはいえ、みんなろくに仕事もしていないのだろう。ただ、図書室の奥の奥、隅っこの方に埃をかぶっていない綺麗な机と椅子が一つ。最近誰かがここに来たということか、?

きぃ……

誰か来た。

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