第2話

「はい、号令」

「ありがとうございましたー」

自分のクラスだけ異様に長いホームルームが終わり、そそくさと図書館に向かおうとする僕に一人の女子が話しかけてきた。

「新美くん、今日図書当番うちらのクラスだよね?一緒に行こうよ」

ただでさえホームルームが長いのだから早く行きたいのだけれど、という言葉を飲み込み、「いいよ」と答える。

「本当?やったね、ありがとう。すぐ準備するから待ってて」

だいぶこの異様な事態にも慣れてきた今日この頃。だが、最初はもう疑いまくりだったと言わざるを得ない。 

何せ何かと話しかけてくる彼女は学年一の美少女、紺野百合華だからだ。

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