五 暗夜
その日、まだ朝が始まって間もないうちに、犬神の弟二人とヌラリヒョンの長老は産霊の一の山、玄武の館を目指して東方へと旅立っていった。
産霊の一の山は常世でも特に清らかな場として有名な産霊連山に含まれる名峰で、その頂に建てられた玄武の館はかつて、妖族と友好な関係を築いていた内の人間の技術を借りて造設された建物のうちの一つであった。天気が良ければ訪れた者たちは美しい白い雲海の中に凛然と佇むその館の姿を拝むことができる。
玄武の館までの道のりは翔の予想を遥かに超えて果てしなく、どれほど歩いてもえんえんと山の緑と空の青が見えるばかりだった。だが、奈津上とあれこれ語らいながら歩いたためか、翔は不思議と退屈しなかった。話しているうちにあっという間に一日は終わってしまい、その夜は奈津上の知り合いだという妖の山中にある小さな家で世話になった。そして翌朝、日の出と共にまた山の中を歩き始めた。それを二日ほど繰り返していた。
幸い今日も天気は快晴。奈津上はこの好々爺の年齢を考えると驚くほど朝から元気で陽気だった。御影屋を出発してから今日までほぼずっと歩きっぱなしだというのに、翔と違って奈津上はちっとも体力を消耗しているようには見えない。
翔と奈津上は今日も二人仲良く横並びになって、しっかりと土を踏みしめながら山の急斜面を登っていた。だが途中から翔は早くも息を切らし始めて速度が落ちた。
数歩以上も差のついた距離から奈津上は彼を振り向いて見ると、まるで赤子を見るように柔らかに目を細めた。
「ほっほっほ。もう疲れたのかの?翔」
「いえ、まだ大丈夫です」
そうは言ったものの、言葉にはぜいぜいとした吐息が混じっていた。
翔は肩も使って呼吸を整えつつ、ちらりと周囲に目を向けてみた。
辺りにはやはり誰もいない。翔と奈津上の二人だけだ。だが奈津上が言うことには、このどこかにはちゃんと黎がいて、二人の後を遅れることなくついてきているのだという。妖の気配を感じ取ることができる奈津上と違って、翔にはそのような能力はないのでわからないが、奈津上がそう言うのならばきっとそうであるのに違いない。
黎は出発早々に自身に
翔と奈津上はやがて、どちらからともなく雑談をし始めた。
普段誰かに自分自身の話をすることにあまり慣れていない翔であったが、奈津上があまりに聞き上手なせいか、気がつくと最近あった出来事や見聞きした事柄、頭の中であれこれ思い悩んでいたこと等をすっかり奈津上に話してしまっていた。御影屋での平和な日々の中でふと自分の中に湧き上がってきた変わりたいという思いや、最近になって自分の過去を知りたいという静かだが強烈な欲求に突き動かされることが多くなったこと。先日、外の世界で出したちっぽけな勇気の話に仕事の失敗談、自分の無力さや無能さに落ち込んだこと、などなどなど、とにかくたくさん話をした。時間はたっぷりあった。翔が話したことの全てに、奈津上は表情豊かに関心を示してくれた。
翔が悩みを打ち明けるたびに、この薄幸な若人に授けられた長老の見解はどれも、奈津上がただ長命なだけでなく内面的に優れた妖であることを翔に改めて実感させてくれるようなものだった。
「実はな、世界というものは目に見えないものでできているのじゃよ」
と、ある瞬間に奈津上は言った。
「儂等がこの目で見て認識しているものというのは、目に見えないものたちの影でしかない。世の中は目視できないもので満ち満ちている。目に見えるものが全てと決めつけることは全くの無意味じゃ。そこには大抵、真実など存在していないのじゃから」
不意に奈津上は表情を引き締め、真剣な眼差しを翔に向けた。
「さて・・・。先程おぬしは、自分の過去を知りたいと思っていると言ったな。自身では覚えていない、常世に来る前後のことを知りたいのじゃと」
「はい」
「ならば今後も、自分自身の力で探っていかねばならぬ。おぬしの目や耳、皮膚を通してでなければ、おぬしにとっての真実は見つからないのじゃからな。先日一歩踏み出せたと思うのなら、きっとこれからもっと大きな一歩を踏み出すことができるじゃろう。ほっほっほ、いくら道のりが困難だからとて黎が全てをすっかり教えてくれる日を待とうなどとは思うでないぞ?あやつに訊ねたとて返ってくるのはあやつにとっての真実のみじゃ。わかるな?おぬしの手で見つけなければならぬ」
「は、はい」
翔は何だか痛いところを突かれた気がして、何となく視線を山道の緑の中に散乱させた。
何故奈津上にばれたのかわからないが、実は翔は以前、可能な限り言葉を濁して黎にそれとなく自分と出会った当時のことを訊ねてみたことがある。翔は昔のことをほとんど覚えていないが、自分を常世へ連れてきた、しかも記憶力の悪くない黎ならばある程度翔についての何かを知っているはずだと考えたのだ。
だがその時、黎は翔への回答をやんわりと拒んだ。いつものように妖艶に微笑んで。そのやわらかな拒絶を受けて以来、翔は黎に気を遣って具体的な事柄を聞けなくなってしまった。
そもそも犬神三兄弟は家族団欒で赤裸々に打ち明け話をするような間柄ではない。翔は別に誰に指示されたわけでもないのにいつも戒にも黎にもタメ口ではなく丁寧な言葉遣いで話し、黎は実兄の戒に対しても義弟の翔に対しても時々どこか他人行儀なところがあって、二人の弟たちと接する時の戒の態度は家族というよりはむしろ上司に近かった。
別にこのような関係性の兄弟がいることは珍しい話ではなく、悪いことでもない。だが翔はふとした瞬間にもっと二人と近しくなりたいと思ってしまう。家族の温もりを共有したいと考えてしまう。贅沢な望みだと自分で自分を嗜めつつも、心はそれを自然と求めてしまっていた。
家族の存在。今と昔の、己の家族。
今翔がかつての家族について思い出せることと言ったら、あの最後の日に見た、ぼんやりとした母の姿だけだ。
「自分の手で探し出すのじゃ。そこに目を背けたくなるような真実があっても、本当に知りたいと望むのならな」
続けて奈津上はぐっと声をひそめた。骨の奥にまで時間をかけてじわじわ沁み込んでくるような声だった。
「もう恐れてはならぬ。・・・おや、これはおぬしというより、むしろ儂への言葉じゃったな」
それからも二人はずっと話し続けたが、その間も黎は一度も姿を現さなかった。
黎が己にかけた呪いを解き、再びその美貌の姿が翔の目にも映るようになった時、広い空は青色から赤色にすっかり染まっており、高所に燦々と輝いていた日は遠い山々の背後に隠れようとしていた。
二人の会話を聞いていたのかいないのか、黎は翔に特に何も言わなかった。
今夜の宿となる山小屋の女主人は奈津上と知り合いだった。彼女は背が高い長髪の老婆で、着古したほつれだらけの着物に紐の切れた草履を履いていた。小屋の中は想像以上に清潔で簡素であり、ごちゃごちゃした物は少なく、土間と囲炉裏と主寝室、そして客間があった。翔たちは客間に通され、老婆に簡単な夕食を振る舞われた後、そこで眠った。
その夜は昨夜よりも冷え込んで、翔は毛布にくるまり赤子のように丸くなって眠っていたが、少ししてふっと目が覚めてしまった。寝つきが悪いのはいつものことだし、初めて来た場所でよく眠れなくても心配はいらないとわかっている。僅かばかりに身を起こして左右を見ると、両脇に並べられた布団はどちらとも空だった。辺りは静かで暗いままだ。こんな夜に、黎と奈津上はどこへ行ったのだろう?
翔はしばらくじっと考えてから、いそいそと布団を抜け出した。ひんやりした空気が寝起きの身体を冷やす。畳の上をゆっくり四つん這いで進んでいき、そっと引き戸を開けて土間を覗くと、そこでは小さな蝋燭の灯りを頼りにして老婆が一人包丁を研いでいた。
「おや。目が覚めたのかい」
老婆は翔に気づくと、包丁を研ぐ手を止めた。ひゅうひゅうと入り込む隙間風のような声がごつごつした喉から出ている。
「奈津上と黎は夜風に当たりに行ったよ。お前さんも外に行きたいのかい?」
「あ、いえ。ちょっと目が覚めてしまっただけです」
ぎらぎらと光る刃の鋭さにぎょっとして、か細い声を出しながらおずおず引き下がろうとした翔に老婆はじいっと目を凝らした。それからにやりと口の端を捲り上げたかと思うと、喉元から火が爆ぜたような音を出して豪快に笑った。
「おや、おや、おや・・・。お前さんには、随分と面白い
「呪い?何のことですか」
翔は僅かに眉根を寄せて身体の動きを止めた。老婆はにやにや笑っている。
「お前さんにとっちゃ、そんなに気にはならない呪いなんだろうがね。あたしゃ絶対かけられたくない類のもんだよ。へっへっへ」
「あの、お婆さん。その呪いというのは一体・・・」
「ふん、あたしに聞くのかい。面倒だね。そんなことは兄貴に聞いておくれよ。その呪いをお前さんにかけたのは黎なんだろ」
「黎兄さんが?」
「他に誰がいるっていうんだい。そんな強力な代物、扱えるのは稀代の妖術師くらいなもんさ」
老婆はそれ以上会話をする気をなくしたようで、ふいっと翔から顔を背けて再び包丁を研ぎ始めてしまった。
翔が再度質問を投げかけようと口を開きかけたところで小屋の玄関戸ががらりと開いた。戻ってきたのは奈津上一人だけだった。黎はいない。
「おお、翔。起きとったのか」
そう言って微笑まれたが、気のせいだろうか、奈津上の表情はいつもよりも固いように見えた。笑顔を浮かべてはいるが、両頬が強張っているのがわかる。目尻も下がっていない。
散歩中に何かあったのだろうかと、翔の心に一抹の不安がよぎった。そんな心中が顔に出ていたのかもしれない、奈津上は不意に何かを決意したようにぐっと力強く口角を上げた。
「どれ、せっかくじゃ。おぬしも夜の散歩をしてみるかね?黎は儂を置いて、一人でふらふらと物思いに耽りに行ってしまってのう。儂はもう少し夜風に当たりたいのじゃが、一人では物足りぬ」
一瞬迷った後で、翔はこっくりと頷いた。壁にかけておいた羽織にさっと腕を通し、老婆を山小屋に残して奈津上と共に外に出ると、たちまち冷気が翔の身体をすうっと包み込んだ。
奈津上と翔は歩調を合わせて、ゆっくり夜の山道を、目的も決めずに歩いた。
奈津上はうっすら微笑んでいるように見えたが、その瞳はずっと何かを考えているように少しばかり虚ろだった。やはり、きっと何かがあったのだ。けれどもそれを安易に尋ねてはいけない気がした。翔は長老の様子に目を配りながら、夜空を見たり澄み渡った冷えた空気を吸い込んだりして、慌ただしさも喧騒もない世界を感じた。
木々は黒々として時々夜風に身を震わせ、暗い空には白い月が神々しく浮かんでいる。月の周りでは無数の星が思い思いに煌めいていた。広い空だ。無限の自由に満ちた、美しい夜空だった。ここで流れている時間がいつもと同じ時間であるということがまるで信じられなかった。闇空の黒い雲の影と同じように、時の流れはとても緩やかで、時々激流のようにも感じられる日中の忙しなさを一瞬でも忘れさせてくれた。
しっとりした時間を共有する二人は、それを噛み締めるようにしばらくはずっと無言で歩いた。夜の世界は物思いに耽るに十分な環境を老爺と青年に恵んだ。
やがて、奈津上は息を吸い、静かに口を開いた。その声には何かを覚悟したように芯が通っていた。
「年寄りの独り言として、受け流してほしいんじゃがのう、翔。おぬしとここまで来れたことは、儂にとっては本当に奇跡のような出来事なのじゃ。まさかこんな日が来るとは思ってもいなかった。情けないことに、儂はあまりに長いこと塞ぎ込んでしまっていた。自分より下の世代がもうしっかりと前を向いて歩み始めておるというのに、儂はいつまでもその場に、いや、過去に留まり続けようとした。若い者らには随分と迷惑をかけたことじゃろう。特に戒には感謝してもしきれぬ。あやつは上代の妖の筆頭として申し分ない。もし今も
どこかが麻痺したような感覚で山小屋まで戻ると、一体どうしたのかたちまち老婆があたふたと戸口に現れ、そこにいた二人に早く中に入るように急かした。
「二人ともどこほっつき歩いてたんだい!黎が戻ってきたと思ったら今から御影屋に帰ると言っとるよ。どうすんだいお前さんたちは。ほらほら入った入った」
一息ついて心を落ち着かせる時間もなく、翔と奈津上が老婆に背中を押されて客間に入ると、部屋の中央に黎がしゃなりと立っていた。
黎は「ああ、翔」と吐息混じりにこぼしてから、目元を僅かに強張らせて弟を見下ろした。
「ごめんね、急いで御影屋に戻らないといけなくなっちゃった。夜中にかなり厄介なお客さんが来て、俺が戻ってこないと全員殺すって脅しているそうなんだ」
「えっ!?」
「さっき伊桜から伝書鳩が届いてね。それに、誰か重傷者がいるみたい。詳しくは戻ってみないとわからないけれど」
「そ、そんな・・・」
「翔、落ち着くのじゃ。黎、今から向かったとて御影屋までは数日かかる。それでは間に合わんじゃろう。この近くに足の速い妖が住んでおる。儂がかけ合って足を貸してもらおう。奴らなら数時間程度で御影屋まで辿り着けるはずじゃ。それで良いな」
黎は奈津上とふっと目を合わせ、「ええ」と囁くように言った。
奈津上は無言で頷いた。
二人の間にはどこか固く緊張した空気が流れていた。決して険悪ではないものの、お互い一歩引いたところに立って顔色を窺っている、そんな感じがする。翔は二人をちら、ちらと見た。やはり夜の散歩の間に何かがあったのだろうか。暗夜が奈津上に思いがけない秘密を翔に明かさせたように、黎もまた何か神秘的な夜の世界の影響を受けてしまったのだろうか。
翔がそんなことを考えていると奈津上が彼に顔を向けて言った。
「翔、おぬしも黎と共に帰りなさい。皆の力になってやるのじゃ」
「え?でも・・・」
「儂のことはよい。皆が心配なんじゃろう?顔にそう書いてある。御影屋の一員として、おぬしもこの危機を乗り越えてくるのじゃ」
奈津上の優しい笑みに、弱々しげに眉を下げていた翔はぐっと覚悟を決めてこっくりと頷いた。
「・・・はい。奈津上様」
「うむ」
話したいことも聞きたいこともまだまだ山ほどあった。だが、今は何より御影屋の仲間たちが優先だ。奈津上との旅の続きも、例の件に関してもっと深掘りできる機会も、きっとまたすぐに訪れるだろう。
名残惜しさと不安に苛まれる心で、翔は急いで荷物をまとめ始めた。
「どんな客なんだい、お前さんのところに来たのは」
その間に老婆が苦々しげに口を挟んできた。突然の予定変更で三人からぼったくる予定だった宿泊料が少しだけ減ることになると悟った老婆は、皺だらけの顔に悔しさが滲むのを隠そうともしていない。
そんな老婆に黎は美しい瞳だけを向けてうっすら微笑を浮かべた。一瞬だけ、その目がきらりと
「ご隠居様の懐にある、黒い鱗の持ち主ですよ」
途端に奈津上の顔色が変わった。衝撃を受けたような表情からすぐに険しい顔つきへと変化し、黎を真っ直ぐに見つめる瞳にぐっと力が込められたのがわかる。
「それはまことか」
「ええ」
「確かなのじゃな?奴が、御影屋に現れたというのは」
「ええ・・・。フフ、奇妙な話ですね。せっかくだから何か懐かしい話でもしてくることにします。一体いつ以来かな、彼女に会うのは」
その頃御影屋では、応接の間で伊桜が客人と向かい合わせになるようにして畳に座布団を敷き正座していた。
部屋のすぐ外の廊下には炎典、藍蘭、水瀬に真楯が待機し、何かあったらいつでも飛び込めるように中の様子に意識を集中している。
伊桜は冷静だった。何も言わずにただじっと、姿勢良く相手の顔を見つめている。
お客の方はというと伊桜の方は見ていない。うら若く、あどけなさを残した綺麗な顔は作り物のようだった。質素な着物からは真っ白い血の気のない肌が覗き、黒髪の下で伏せている目はまるで闇夜を彷徨う霊魂のように妖しく藤紫色に光っている。
だが伊桜が見ているのはそんな本体の部分などではなかった。
青年の中に蠢くもう一つの存在が、この部屋に入ってからずっとこちらの様子を観察している。目視できずとも、伊桜にはその気配がはっきりとわかる。わからないのは彼らに何があったのか、だ。何故こんなことになってしまっているのか。そして黎に何を期待して、この御影屋にわざわざやって来たのか。
その答えは正直なところ、想像がついた。しかし伊桜は何も問いたださなかった。先程黎を呼び戻すため伝書鳩に託した彼宛の手紙の中にも、自分の憶測に過ぎないような事柄はあえて書かないようにした。事実は黎が戻れば自然と客人の口から語られるだろう。それまで彼女は辛抱強くお客と対峙し、この静かな状態をできるだけ保っていなければならない。今は黎だけでなく戒もいないのだ。御影屋と若い妖たちを守るのは伊桜の役割だった。
先刻、真夜中の思いがけない来訪者が黎と人間の子の不在を知らされた時に言っていた言葉を伊桜は頭の中で反芻した。
「私たちには時間がない。この子が眠ってくれている夜のうちに、全てを終わらせてしまわねばならない。犬神黎を呼び戻せ。そして伝えろ、知り合いが来ていると。私はかつて八岐大蛇と呼ばれ畏れられた者の一欠片。そして今はこの子の血肉。犬神黎と話がしたい。でなければ、誰も助からない。目覚めればこの子は目にした生き物全てを八つ裂きにして殺す。ここは死体が浮かぶ血の海となるだろう。そうならないためには犬神黎が必要だ。私たちは例のものが欲しい。あの犬神の、影灯籠が欲しい」
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