第116話
超銀河ゴッドロマンによる月静止軌道からの超銀河ロマンキックの直撃をくらった超大型人型モンスターは地響きを立てながら吹き飛ばされる。
三崎は追い打ちをかけるためにその敵モンスターに対して距離を詰め、
「超銀河ゴッドラッシュ!!!!!!」
と叫びながら両手部分に超高密度のピンポイントバリアを展開して怒涛のラッシュを叩き込んだ。なお超大型ビーム兵器に変形していたムサシは超銀河ゴッドロマンの背部マウントに取り付けられていた。
そしてそのラッシュを叩きこまれた敵モンスターはさらに吹き飛ばされ、南極エイトケン盆地の外縁付近まで吹き飛ばされる。
そして山地に叩きつけられた超大型モンスターに対しさらに追い打ちをかけるために接近した三崎は、背部マウントから超大型ビーム兵器を手に持ち替え、
「さすがにゼロ距離からの射撃には魔法障壁も張れないだろ?」
と主人公がしてはいけない邪悪な表情をしながら
「超銀河ゼロショット波動砲!!!!!!」
超大型モンスターの胸部に超大型ビーム兵器の銃口を当てたままその引き金を引いた。そして超銀河ゴッドロマンごと閃光と爆発に包まれる。
”波動砲のゼロ距離射撃とかw”
”最初の飛び蹴りもヤバかったなw”
”ただの飛び蹴りも静止軌道から、かつあのサイズでやられるとなw”
”ラッシュの時も何気にピンポイントバリア張ってたしw”
”全てが必殺技だなw”
閃光と爆発が晴れた後には、超大型モンスターから少し離れた空にバリアを張っている無傷の超銀河ゴッドロマンと、月面にはボロボロになった超大型モンスターが横たわっていた。
”さすがにこれは効いたなw”
”あまりにも理不尽”
”というかこの攻撃で無傷だったら引くわ”
とそろそろ勝ち確か?と見たリスナー達の間にも少し安堵した空気が流れる中で三崎達も
「さすがにゼロ距離からは効果があるみたいでよかった」
「そうですね、さすがにあの距離からは防御障壁も展開しようがないでしょうし」
と様子を探りつつも最後のトドメを刺すための準備に取り掛かろうとしていたが、ボロボロのモンスターが突然淡く発光をはじめ、そして
「オオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
と再び咆哮をあげる。その咆哮に乗せる形で虹色の魔力波が宇宙に広がっていく。それを見た三崎は何かしらの攻撃か?と身構えたが、しばらく経っても何もおきず
「…なんだ?ただの威嚇か?」
と警戒しつつも再びゼロ距離での波動砲で敵モンスターにトドメを刺そうとするが、
「マスター!!!!!緊急事態です!!!!」
アルファの緊張した声が艦橋に響き渡る。
「次はなんだ!!」
「地球の静止軌道上を埋め尽くすような形でモンスターの大群が出現しました!!!!その数、約50万体!!!先程のモンスターの咆哮になんらかの魔法反応がありました。それに反応した地球静止軌道上のスペースデブリがモンスターに変容した模様です!!!!」
眼の前の超銀河ゴッドロマンにタイマンでは勝てないと悟った超大型モンスターは早々に次の手を打つことにした。すなわち絡め手である。これまでは三崎を止めるために直接的な攻撃を続けていたが、彼がやってきた地球そのものに攻撃を加えることをこのタイミングで学習したのだ。
しかも特殊な魔法を自身の咆哮に乗せることで、地球の静止軌道上を漂っていたスペースデブリを自身の配下のモンスターとして変化させた。そしてそれらのモンスターを一斉に地球へ向けて降下させようとしている。
仮に自身がこの場で三崎にやられたとしても、地球は大きなダメージを受け、三崎もそれを看過することはできないはず。図体がでかい割には頭脳プレーな超大型モンスターであった。
”げ”
”え?”
”どういうこと?”
”要するに俺らの頭上には50万体のモンスターがいる”
”ふむ”
”なにそれw”
”一瞬で俺等も巻き込まれたなw”
”さっきまで画面の向こう側の話だと思っていたけど”
”こないだのスタンピードの時以来の穏やかな心w”
この三崎の戦いをずっと配信していたこともあり地球では一気に大騒ぎになる。自分たちの頭上に50万体ものモンスターが突如出現したのだ。しかも先の日本におけるスタンピード”星の流れた日”とは異なり、文字通り地球のありとあらゆる場所が攻撃対象となっている。
日本滅亡の危機どころか人類の歴史が今日ここで終わったとしても不思議ではないレベルの大災厄になろうとしていた。
この状況を確認した三崎は、まずは目の前の超大型モンスターを再度の波動砲ゼロ距離射撃でまずは殲滅した。
そして月面上の様子を確認しながらも、周囲の制圧が完了したことを確認すると一気に月面を離れて月の軌道上まで飛翔した。
しかし、
「くそっ、ここから戻るにしてもさすがに時間が…!!!」
とさすがに焦りを隠せずに狼狽えるが、
「マスター」
落ち着いた声で語りかけてくるアルファの方を見ると、
「デウス・エクス・マキナ、最後までしっかり使ってください」
と覚悟を決めた顔で微笑んでいるアルファ達がそこにはいた。
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