第72話
『私の歌を聞けぇぇぇぇ!!!!!』
空から舞い降りた三崎が駆る可変戦闘機から空中にホログラムで投影されている謎の女性シンガー。
その女性シンガーが戦場でアップテンポな曲を急に熱唱しはじめる。
”なんか歌姫きた!!!!!w”
”これこそマク○スw”
”この声、アルファやんけw”
”普段クール系なのにw”
”というかアルファこんな格好してたんだw”
”しれっとアルファのビジュアル初解禁”
”この曲は「射手座☆午後◯時Don't be late」かw”
”もってーけー!!!w”
戦場全体に響き渡る歌声。そしてあまりにもアレなシチュエーションに呆気に取られる戦場の探索者達。
”現実で戦場で歌うとこうなるんだなw”
”めちゃシュールw”
”気持ちはわかるw”
そんなカオスな状況下で各探索者たちに三崎から通信が入る。
「こちら三崎。ブラボー、チャーリーの各隊へ。アルファの歌は聞こえてますね?これより広域戦闘支援魔法”歌姫の祈り”を起動します。この支援魔法は味方全員の魔素出力が3倍に跳ね上がるバフ魔法なのでこれで決めますよ!歌詞が2番に入るところから行きます!」
アルファが1番の歌詞を歌い終わり、2番の歌詞に入ると同時。スピーカーから放出されていた音の種類が代わり、魔法が混じった特殊な音響がアルファの歌声に乗って戦場全体に響き渡る。
その瞬間、ブラボー、チャーリー各隊の深層探索者達の魔素出力が一気に上昇し、それに応える形で小型トルーパーと先行量産型強化外骨格が淡く輝き出す。
そして三崎が戦いの終結に向けて承認コマンドを叫ぶ。
「各隊、リミットシステム解放!オーバードライブ!!!!」
三崎の宣言と同時に、小型トルーパー、先行量産型強化外骨格それぞれの形状がやや変化し、まるで三崎の強化外骨格のリミッター解除状態のような形状になる。
”ふぁーwww”
”まさかの全機リミッター解除状態w”
”これはヒドイw”
”見た目が壮観過ぎるw”
これまでの流れに呆気に取られていた敵勢力の面々も、眼前の小型トルーパーと先行量産型強化外骨格の様子が変わったことに気づき警戒を強める。
その瞬間
ドンッッッッ!!!!!という地面が爆ぜる音と共に小型トルーパーと先行量産型強化外骨格がその場から姿を消し、そして一瞬の間の後、彼らを見失った敵勢力のうち6名の探索者達が突然吹き飛び、そしてダウンした。
何が起きたのか分からず狼狽える敵勢力の深層探索者達。その吹き飛ばされた深層探索者達がもともと立っていた場所には腕を振り抜いた6人の先行量産型強化外骨格をまとったSATの面々がいた。
これを見た全員が気づいた。深層探索者達が見失う程のスピードでSATの面々が移動し、そしてそれぞれがパンチ一発で6人の敵勢力を無力化したことを。
SATの面々がアルファの歌声の支援を受け、オーバードライブ状態で無双しはじめると同時に、戦場外縁部に集結しつつあったモンスターたちも怒涛の勢いで吹き飛び駆逐され始めた。
こちらもオーバードライブ状態になった小型トルーパー達がモンスター達をあっと言う間に討伐していた。
”6人の強化外骨格の人たちが無双状態w”
”小型トルーパーもなんかエグい動きでモンスター駆逐していってるぞw”
”そして空で歌い続ける歌姫モードのアルファさんw”
”さっきまで拮抗状態だったのにw”
”バフ魔法ってこんなにエグい効果あるの?w”
”普通のバフ魔法はよくて1.2倍くらいのイメージだぞw”
”というか何気に魔法を掛け合わせたロマン武器?って初めてじゃない?”
”もはや武器かどうかも分からんけど、戦場に歌のロマンはわかるw”
引き続き戦場に響き渡るアルファの歌声、たったの6人で50人弱の深層探索者達を無力化していくSATの面々。
破竹の勢いで地上のモンスター群を駆逐していきつつ、たまにSATの面々へ支援射撃をする特殊作戦群の小型トルーパー達。
そしてそんな戦場を空からのんびり眺めつつ、たまに流れてくる攻撃を余裕をもって避けながらホバリングする可変戦闘機の中でDJもどきに音響設備をイジる三崎。
4分30秒ほどが経過した時点で1曲目が終わり、テンションがあがって来たアルファがノリノリで
『では2曲目行きますよ!各隊、これで決めてください。ライ○ン!!!!!』
「こちら三崎、各隊へ通達。皆さんだいぶ慣れてきたと思うので、オーバードライブギア2行きますよ!魔素出力が5倍になります、時間制限的にこれで最後!」
”魔素出力が5倍w”
”あれの中の人たち、大丈夫なのか?w”
”とんでもない動きしているなw”
”けどこれでも三崎のアルティメットモードの方が多分強いんだよな?w”
”もう色々カオスw”
そして約4分後。
その戦場には6人の探索者、6体の小型トルーパーが仁王立ちし、空では可変戦闘機と一人の歌姫が悠然と佇み、彼ら以外に動くものはいなくなっていた。
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