第20話
「アルファもその他の武装たちも時間さえあれば周囲の空間から魔素を取り込むことでエネルギーとかは完全に自動回復してくれます。さすがに物理的な損傷は回復しないですけどね」
と相変わらずの超技術をコーヒーを飲みながらビスケットを齧っていた三崎がさらっと披露すると
”こいつはまたこういう大事なことをさらっとw”
”はいはい、無限無限w”
”マジでエネルギーが無限に近くて笑ったw”
とコメント欄も慣れたような、若干呆れたような雰囲気となっていた。そんなコメント欄を横目に三崎は
「じゃあそれはそれとして、先程のフォームチェンジについて解説します」
と目をきらきらさせながら喋りだした。
”うんw”
”本当にロマン武器が好きなのはよくわかったw”
”このやる気よw”
「まずは強化外骨格 ニュートラルフォームから説明します。最初に皆様にお見せした黒いフォームですね」
「確かに最初に皆様にお見せしたのは黒いニュートラルフォームなんですが、開発順としては実は最新のフォームだったりするんですよ。たまたま西原さんの配信に映り込んでしまったので、以後はアレをベースにしてますけど」
”ほぇー”
”そうなんだ?”
”なるほど?”
「あの黒いニュートラルフォームは、名前のとおりニュートラルなスペックを追求して作成したフォームです」
「現状考えうる限りで一番バランスが良いフォームになっていて、ファ○ネルの運用なんかも含めてガチで勝ちに行く時の兵装群が一番充実しています」
「それに過去に作成した各種特化型フォームを踏まえてのバランス調整を実施しているので本当に基礎能力が高いフォームなんですよね」
「ただし各種兵装との併用を前提としているフォームなので、フォーム単体だと先程御覧頂いたようにアース・ドラゴンみたいなタイプのモンスター相手だと決め手に欠ける場合があります」
”なるほど”
”ふむふむ”
”ふむふむ”
「とはいえ、繰り返しになりますが最新型のフォームなので実はまだ隠し機能なんかも実装しているのですが、それはまた別の機会にお披露目します笑」
”おお!”
”気になるw”
”やっぱ黒くて新型のフォームがあれで終わりは無いよなw”
「はい、じゃあ次は先程初お披露目した紫色のパワードフォームですね!」
”かっこよかった!!”
”やっぱロマン武器と言えば斬艦刀よな!w”
”敵の攻撃を避けないのもまたロマン”
”ダン研流剣術ってw”
「あのフォームは御覧頂いて分かる通り攻撃と防御特化型のフォームです。俊敏性と魔法などの特殊攻撃に関しては壊滅的なパラメータです」
と三崎によるパワードフォームの解説が始まる。
パワードフォームは圧倒的な攻撃(正確に言うと物理的な筋力など)と防御に特化した結果、非常に重量が重いフォームとなっており走ることすら難しいこと。そのため非常に使い所が難しいフォームであること。
さらにパワードフォーム専用兵装、斬艦刀も、特殊なダンジョン産金属をとにかくアホみたいな量を使って作成したらとんでもない重量となり、結果としてパワードモード専用兵装となったこと。
これらの条件を踏まえるとほぼ実戦で使用する機会が無いのだが、今回戦ったアース・ドラゴンのように比較的鈍重で、かつ真っ向からの打ち合いに付き合ってくれるモンスターであればワンチャン活躍の機会があることから富士五湖ダンジョンを選んだことなどが語られた。
”パワードフォーム、配信に登場するのはこれが最初で最後かもしれんなw”
”そんな、斬艦刀とかめちゃくちゃ好きなのにw”
”まさにロマン武装の権化w”
「とまぁそんな感じでまずはパワードモードを皆様にお披露目したという次第です。ちゃんと予想通りアース・ドラゴンが出てきてくれて助かりました笑」
”たしかにアース・ドラゴンでてこなかったらそのままお蔵入りになってた可能性あるよなw”
”アース・ドラゴンさんに感謝w”
”いや、他の使い所を俺等でもちゃんと考えるんや!”
などなどコメント欄も盛り上がりを見せる中、休憩を終えた三崎は、広げていた机や椅子を片付けながら、
「じゃあすいません、ちょっとお手洗い行ってくるので。アルファ、ちょっと画像と音切っといて」
と三崎がアルファに指示すると
『了解しました』
というアルファの声とともにリスナーの画面には急に「しばらくおまちください」というテロップが表示され、美しい湖を航行する白い船舶の動画が流れ始めた。
”うおw”
”Nice boat.”
”Nice boat.”
”Nice boat.”
"アルファちゃん、マジで小ネタの手が込んでるなw"
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