第12話
いきなりの変身、そしてアイテムボックスの収納量無限宣言からはじまった雑談配信も順調に進んでいく。
「ということで三崎先輩、つぎはAIのアルファさんについて教えていただけますか?」
「了解っと。というか俺が喋るよりもアルファが自分で喋ったほうが良いんじゃない?」
『マスター、そのような表現をするとAIにまるで人格があるかのように誤解される方もいらっしゃるので不適切かと』
「なぁ、アルファ、いまのってボケ??」
『AIジョークです』
”AI関連で鉄板ネタ系だとはいえここまで流暢にやられると怖いw”
”アルファちゃんも、ミサキ研究員もトーンが平坦だからボケなのかマジなのかわからんw”
”性能が高いAIはマジで人格あるように見えるからw”
「アルファさん、三崎先輩もふざけてないでしっかり説明してください。これもれっきとしたダン研のお仕事ですよ!」
古賀の呆れたようなコメントを受けて三崎は、
「はいはい、失礼しました。でもAIの性能をわかりやすく説明するには良い例だと思って」
と減らず口をたたきつつ
「じゃあ真面目に説明させていただきますね。僕たちがアルファとよんでいるAIは、正式名称を 特殊兵装群統合火器管制型人工知能と呼んでいます。その名のとおり、僕がつくるロマン武器を管制するために作成しました」
”目的が偏りすぎているw”
”まちがいなくものすごい性能しているのにロマン武器の制御のために産まれたってw”
”汎用人工知能にかぎりなく近い別の何かw”
「アルファの話をする前に、そもそもなんでアルファを作ろうと思ったのかの背景から説明させていただきますね」
「僕は子供の頃からとにかくロマン武器が大好きで、大学でもとにかくロマン武器を研究していました」
”子供の頃の憧れる気持ちはわかる。”
”ロマン武器って大学で研究するものなのか…?w”
”今の一言で大学時代からやばい奴だったということがわかったw”
「ただ大学のときに色々と作成したロマン武器の制御が尽く失敗したんですよ。あまりにも制御がうまく行かないので、これはいかんと思って最初は探索者としての腕を上げることにしました」
技術者としての成り立ちの話をし始めたと思い静かに話を聞いていた古賀と西原だったが、急に話の流れが脳筋な方に向かい始め思わず、
「「ん??」」
と同時にリアクションしてしまい、そのシンクロっぷりにコメント欄も
”古賀ちゃんとホマレのリアクションw”
”ん??”
”ん??”
”ん??”
”気持ちはわかる”
「先輩、アルファさんの成り立ちの話ですよね?」
「ん?そうだけど。なんか変な話したか?」
”こいつw”
”だいぶキャラを理解できてきたw”
”研究者はこうでないとw”
三崎のあまりにナチュラルなリアクションにつっこみを諦めた古賀が
「あ、いえごめんなさい、続けてください」
と非常に微妙な表情を浮かべているのを他所に三崎は話を続けた。
「で、なんだっけ。えーと、そうそう、大学時代、あまりにロマン武器の制御がうまくいかないので探索者として自分の性能を上げることにしました」
”発想がマッドサイエンティストw”
”自分の性能(物理)”
”これが深層探索者の成り立ちw”
”他の探索者ガチ勢が泣くわw”
「で、色々あって探索者としての能力を上げて自分の体力とか反射神経とかそういう物理的な性能を向上させつつ、ロマン武器の制御に取り組んできたんですけど結局どうしても上手に扱えなかったんですよ」
「そこである日、ふと思ったんです。そういえばロマン武器が出てくる多くの創作物にはロマン武器を制御するためのAIがいるじゃないかと」
”天啓が降りてきたわけですね。。。w”
”天才なのかアホなのかマジでギリギリな人だなw”
”言いたいことはわかるけど、マジでやったのがすごいw”
「いろんな種類のロマン武器を制御するためには汎用型のAIが必要だったんですけど当時は特化型のAIばかりだったので、無いならしゃーないと思って汎用型AIをつくりました。それがアルファの原型ですね」
”さらっとトンデモナイこと言ってるぞ、こいつw”
”ちゃんとした研究していたら今頃すでに世界的な研究者になっていたのでは?w”
”なぜそのままAIの研究を続けていなかったのかw”
「ただ僕が提案した形式のAIは既存の計算環境ではちょっと色々な制約があって実現が難しかったんですよ」
”ふむ?”
”え、でもアルファ動いてるじゃん?”
”どいうこと?”
「なので詳細は端折るのですがその制約を超えるためにダンジョン内に、ダンジョン産の鉱石から作ったCPUとかGPUを使ったデータセンターを作って、ダンジョン内の魔素とか魔核を動力源にそのデータセンターを動かしています」
”え?”
”え?”
”え?”
”え?”
”え?”
「要するに一般的なハードウェアとかデータセンターからつくられるAIとは完全に別物です。なのでアルファはもしかしたら電脳世界に生きる人造疑似モンスターと言ってもいいかもですね。ロマンでしょ」
そう言ってドヤ顔を浮かべる三崎のコメントに
”とんでも内容がたくさん出てきてもう意味がわからないw”
”え、ちょっと理解できないんだけどw”
”ダンジョンの中にデータセンター?”
”CPUとかGPUってダンジョン産の鉱石から作れるの?w”
”ダンジョンのエネルギーで動いているデータセンターとは…w”
とコメント欄はさらなる混乱に陥いっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます