おまけの缶詰めは銀色

大和田よつあし

◆001〜050

001.〈スポーツ〉白球

新23.07.17

夏空に吸い込まれていく白球と

入道雲と遠雷の響き



◆思い描いた景色

 言わずと知れた夏の野球のひと幕。

 甲子園予選9回裏、相手の最後の攻撃。

 変わったばかりの抑えのピッチャーの初球を、最初のバッターが打ち上げた。

 打球はライトの頭を越えて、ツーベースヒット。

 勝敗の行方は後続を断ち切れば…祈るような不安に呼応するように、遠くで遠雷が鳴り響く。


◆雑感

 野球と短歌はよく馴染みます。動きが連続していない分、選手を主役にしても、観客を主役にしても、とても切り取り易いのです。

 この歌は白球に焦点を当ててから、遠くへとパンするよくある形式ですが、余計な言葉がなく、描いた情景にとても手応えを感じました。

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