第4章 国民のご意見をできるだけ叶えてみる編
第16話 モアモア・イベント - 前編
「『もう少しイベントを増やしてほしいです』か...」
僕らが意見箱をおいた日から3日後にその意見が入っていた。ミサキがそれを早速それを持ってきてくれたのだ。初めての国民の意見だ。
「『子どもたちも参加しやすいイベントを定期的に開催してくれれば嬉しいです。』だって。」
「確かに、パーティーしかやってこなかったですもんね...パーティーは酒も入るから確かに子供は入りにくい...」
「そういうヒカルはなんかいい案を持っているのか?」
「そう言われましてもね...」
あの3人も来て段々に人数が増えていった。いつしか大きい人たちばっかりで悩んでいるようになってしまった。考えていたらミサキが良いことを言ってくれた。
「あの!」
「ん?どうしたの?」
「宝探しとか...どうですか?」
「宝探しか...それ、良いね!宝探しは子供含めて楽しめるだろうしな。」
「それなら!『宝』となる物はどうするんだよ。俺なら食券とかを隠せば本気で見つけようとするぜ。」
食券も良いな。僕が考えていたのはここでしか貰えないカップラーメンの味とかを考えていた。あとはフルーツがたくさん入った限定の缶詰。限定にすればみんな頑張って探すかなと思っている。あとは引換券とか?なにかの物といつでも引き換えることが出来るみたいな。
僕は今考えている事を話し、提案した。
「それ、良いですね!私ならフルーツの缶詰とかほしいです!」
「私なら...引換券が良いな...」
「それじゃあ来週試しにやってみたいから、今日から景品の準備をしようか。」
そして僕らは景品の準備を始めた。僕はカップラーメンと缶詰工場へ行き交渉をしている。そう、ほぼすべての準備は僕がしなければいけないのだ。それでも引換券の景品は他の人にやらせているからまあ良いとするか。
◇
「...と言うことなので、限定の味を作ってくれませんか?」
「うーん。どういう味でしょうか?」
「『カレー味』とかどうだ?カレーの汁を固めて入れるんだ。お湯を入れればカレーになるようにして。」
「なるほど!それは名案だ!しかも今の技術なら作れないことも無いだろう!」
「じゃあ、よろしくね。また味見に来るから。」
カップラーメンはとりあえず確保しておいた。次は缶詰だ。缶詰工場はすぐ隣りにあるから行きやすい。缶詰は珍しいフルーツを入れるつもりだから僕が商人から取り寄せられるようにと考えている。
「...と言うことで、フルーツの缶詰を用意してくれるとありがたいのですがね。フルーツは商人から買い付けて置きますので。」
「分かりました。とりあえず明後日までに持ってきてくだされば今週中には作りましょう。」
「ありがとうございます。」
物事は順調に進んでいる。あとはあの人たちが上手くやってくれるかどうかだ。というか彼らはどのような物を仕入れてくるんだろうか。予想しながら帰っていった。
◇
「どうだった?上手くいったか?」
「はい!いい感じに確保することが出来ました!」
どうやら汚れが落ちる石鹸の引換券発行や無期限で使える食券も発券したりして貰ったらしい。
しかもヒカルはワズ経由で観光地として有名なアルビーグ王国の日帰り旅行券も数枚発行してくれるみたいだ。お金は国持ちだから程々にだが、たくさん使ってほしい。
「ヒカルもやるじゃん。アルビーグがそんなに気に入ったのか。」
「ハハハ、そうかも知れませんね。まあそもそも観光地としても有名ですし。」
こんなに豪華な景品があればみんな参加してくれそうだな。僕はどこを会場にしてどのようにするのかを説明した。
「子供も参加しやすくしたいから参加料は1.5Gくらいで良いか...じゃあサラは今のことをポスターにして、リサとバレットは会場の準備を、ヒカルは僕と少し『話』がある。みんな、頼んだぞ。」
「「はい!」」
「話ってなんだよお。全く。」
◇
「済まないな。来てもらって。」
「話とはなんでしょうか?」
「先日、泥棒に入られただろう?まああいにくあんな風に落ち着いたから良いけどな。僕は考えてんだ。今まで警備隊を1時間に一度街を歩かせていたけど、イベントを増やすならもう少し警備も良い風にしておかないと。だから今度イベントと同タイミングで交番を作ろうと思うんだ。どう思う?」
「それはとても良いことだと思いますよ!ある程度人がばらけて警備をしていれば効果も上がるでしょう!」
「それでな、それを作るには人が足りないんだ。1交番に当番制で5人は付けて置きたいから今度募集しようと思ってね。」
そして僕は国の地図とどこに交番を配置するかを見せて、警備担当であるヒカルに同意を得た。そして試験・採用担当を決めるように一任させた。
「では、精一杯頑張ります!」
「よろしくな。」
最近は観光客も増えている。それと同時にさらなる防犯対策が必要になる。そして僕自信はあんまり望まないけど、剣などの武器も配置しなければならなくなるだろう。
先週から来月にかけて意見箱にあった要望を叶えようとしている。これを期にこれからもっと意見箱の中も意見がたくさんになっていれば良いな。僕は国民の意見を第一に考えて叶えてあげたい。僕が作った国に住んでいてくれているのだから、それくらいの事は当然やっていきたいのだ。
交番のことなら超特急に安全に作れと指示しておいた。多分この世界の技術力と速さでは再来週には交番の完成式と交番での初仕事が出来るんじゃないかな。と僕は予測している。
「ミサキ!大工さんたちにお茶を持っていくよ!」
「はーい!」
僕はとても楽しい気分だ。そして本番の日もいい気分で迎えられたら良いなと思う。
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