第3章

【ダンジョン】最強ランキングpart17【配信者】








 例によって某掲示板のスレにて、達治がシレっと話題になっていた。

 その内容というのも『鍬使いのドラゴンスレイヤー』こと『たっちゃん』は、ダンジョン配信者の戦闘力ランキングでどこに位置づけられるのか、というもの。

 ダンジョンが世界に発生して数年が経過し、様々な経緯をたどった結果、多種多様な配信を行う者がでてきた。多くの配信者は事務所に所属しているが、中には一部の人しか知らない個人勢、というのも当然にいる。



『さすがに、みんな【たっちゃん】は知ってるよな』

『あー、最近話題になってる新人の人?』

『鍬でドラゴン倒したとか、巨大アークデイモンを単独討伐したとか』



 そんな群雄割拠の様相を呈しているダンジョン配信者界隈。

 ほぼ飽和状態とされる中でも、達治の異様なまでの活躍は広く知れ渡っているようだった。今回はそんな彼が、他の戦闘系配信者と比較し、どのランクに付けられるのかという議題。最高ランクをSSとして、下限はGまでとされていた。

 もっともGランクの配信者はみな、ネタ系にも分類される人々だが。

 とにもかくにも、スレ住人たちは各々に意見を出し始めた。



『ドラゴン討伐なら他にも、結構やってる奴いるからな』

『とりあえず、最低でもBランク以上だとは思う』

『でも、鍬で倒した奴なんて他にいないだろ』



 しかし、どうにも議論は難航する。

 つまるところ、それだけ達治は異質という証拠だったが……。



『俺、配信見てたけど最強で良いと思う。マジで』

『それはない。アレックスに勝てるか?』

『信者乙』



 とりあえず、最高ランクに位置する配信者とは『まだ』並ばないだろう。

 そんな意見が大多数を占めていた。達治の配信を生で見ていた一部の者たちは、口を揃えて彼を最強格に推し続けていたが。それでも母数が少ないため、封殺されていた。

 そして次に査定基準に上がったのが、巨大アークデイモン討伐について。



『アレは前例がないモンスターだからな、比べられない』

『でも、少なくとも普通のそれよりは上だろ』

『その意見には賛成かな』



 こちらについては、概ね共通認識が取れている様子だった。

 だがしかし、問題となるのは前代未聞の巨大アークデイモン、という存在。少なくとも通常のアークデイモンよりは強い、という程度の認識しか持てない現状は、確定が困難だった。そのため住人たちはしばしレスをし合った後、こう結論付ける。





『まぁ、ミス・アルビレオよりは上だろ』――と。





 その女性配信者は、Aランク帯に位置づけられていた。

 配信経験年数は長く、かれこれ三年目、というところである。どこにも所属していない個人勢であり、ソロでモンスターを狩り続けて、この地位までやってきたという。

 そして、誰もが一時的にだが納得する結論が出た。

 そう思った時である。




『あり得ないだろ。絶対、アルビレオの方が上だって』




 そんな書き込みがされて、スレ自体が荒れ始めたのは……。




 

――――


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