第117話 悪魔の門 最終階層 ⚪︎

 地下迷宮ダンジョン地獄の門デビルズゲートの攻略を始めてから3週間目、77階層に到達したところで黒曜石のような物で創られた真っ黒な柱と階段が現れ、そこを降りるとドラゴンのレリーフが彫られたドアの前に出た。


天国への扉ヘブンズドアーの黒バージョンみたい)


 あの時と同じように、部屋の中は一切探知が効かないようだ。


 僕はドアをそっと開け、中へと身体を滑り込ませた。


 部屋の中は天国への扉ヘブンズドアーと同じように、直径200mほどの広場となっていた。違うのは真ん中に真っ黒な大きな塊が置いてあるところだ。僕が近づくとその黒い塊はゆっくりと身体を起こし、こちらを見た。


〈ほほう。ついにこの場に我以外の物が現れるときが来たか。それで、お前さんは我の敵か? それとも観光客か?〉


〈観光客です〉


〈くっ、冗談の通じないやつめ……〉


 いや、今の冗談だったのか。敵じゃあないから、真面目に答えたのに。その風貌で冗談言われるとちょっと怖いよ。


種族 デビルズゲート・ガーディアン

名前 ジャバウォック

ランク SSS

レベル 200 

体力   3250/3250

魔力   2944/2944

攻撃力 3300

防御力 3266

魔法攻撃力 2915

魔法防御力 2908

敏捷    2211


スキル

念話

生命探知 Lv30

魔力探知 Lv30

闇魔法 Lv30

炎魔法 Lv30

闇吸収 Lv30

炎耐性 Lv30

水耐性 Lv30

雷耐性 Lv30

土耐性 Lv30

風耐性 Lv30

猛毒耐性 Lv30

混乱耐性 Lv30

麻痺耐性 Lv30

魅了耐性 Lv30

睡眠耐性 Lv30

石化耐性 Lv30

呪い耐性 Lv30

咆哮 Lv30

飛翔 Lv30


 おおっ! ズメイの言うようにズメイよりも強い……んだけど、あれ? これなら今の僕の方が……


〈む、お主もしかして我と戦いたいのか? そうかそうか、我もたまには身体を動かさんとな!〉


 鑑定のためにじっと見てただけなのに、なぜそうなる!? 戦闘狂なのか? 見た目通りに。


〈いえ、全くそういった気はありません〉


 しっかり、きっぱり断ったのだが……


〈なぁに、遠慮はいらんぞ! ほれ、ちゃんと手加減してやるからな!〉


 全然人の話を聞かないぞ、このクソドラゴンは!


 僕がきちんと断ったのにも関わらず、ジャバウォックはいきなり攻撃を仕掛けてきた。面倒くさいけど、相手をしないわけにはいかないか。殴られたら痛そうだし。


 2000を超える敏捷、3000を超える攻撃力。そんなジャバウォックの一撃は、今まで戦ってきたどの魔物よりも鋭く重いものであった。 


 だがしかし、僕の敏捷は2900を超える。防御力だって同じくらいだ。さすがに当たったら怪我じゃ済まないかもしれないが、当たる気はしない。そして、魔力に関しては僕は3500を超えている。


(手加減するのは僕の方だよね)


 僕はジャバウォックの挨拶がわりの前足一撃を軽くいなし、少し速めに動き頭上をとった。


 そして当てるつもりで振り下ろしたゲンコツだったが、慌てて回避したジャバウォックの頬を掠めるにとどまった。


〈うお、お主やるのお! 手加減しているとはいえ、我と対等に渡り合えるものなど、そうはおらんぞ!〉


 いやいや、何を勘違いしているのかな。手加減しているのはこちらですぞ。僕が本気を出したら、あなたなんて……あなたなんて? おや、なんだかジャバウォックさんが経験値に見えてきたぞ? おかしいな?


 ジャバウォックはレベルは200。確かズメイも200だったよなぁ。ふたりとも倒せば、いったいどれほどの経験値が……いかんいかん! 何を考えているんだ僕は。邪神の封印を解く手伝いをしてどうするんだ。


〈何かお主とんでもなく悪い顔をしていないか? この我が若干の恐怖を感じたぞ〉


 おや、ジャバウォックがなぜか後退りしているぞ。もしかして、殺気が漏れてしまったのか?


 それにしても、向こうから仕掛けてきた戦いだ。いくら相手が後ずさりしていても、こっちが勝手に辞めるわけにはいかないよね。


(水魔法第1階位"ダイタルウェーブ"!)


 僕が放ったのは、水魔法第1階位のダイタルウェーブだ。ジャバウォックの大きな身体を優に超える高波が襲いかかる。


〈うぉう!〉


 咄嗟に逃げ切れないと悟ったのか、ジャバウォックは逆に水の壁に突っ込んできた。なるほど、確かに衝撃は大きいかもしれないが、下手に流されるよりはダメージは少ないのかもしれない。ただし、このダイタルウェーブが単発だったらの話だが。


〈ぎゃぁぁぁ〉

 

 間髪入れずに放った2発目の高波が、勢いを失ったジャバウォックを押し流していく。


 まあ、魔法防御力もそれなりに高いし、物理防御力に至っては3200を超えてるんだから大したダメージはないだろう。ここはしっかりと追い打ちをかけておくか。


 僕は高波に流され、広場の壁に叩きつけられたジャバウォックの顔に近づき、手のひらから出した瘴気を風魔法を使い吹きかけた。


〈うぎゃぁぁぁぁ! 何だこれは!? もの凄くくさいぞ!? うごぉあ、なぜだ我猛毒状態になっておる!? 我の耐性はちゃんと仕事をしてるのかぁぁぁぁ、うごぉぁぁぁくさいぃぃぃ!〉


 おおう、思いのほか効いてしまった……


 ジャバウォックが白目をむいて、口から泡を吹いて倒れている。同じLv30だと耐性を突破してしまうこともあるのね。っていうか、こいつ絶対毒の効果じゃなくて、臭いで気絶したよね。恐るべし瘴気。


 さて、お仕置きのつもりで放った瘴気だったが、このまま自然に起きるのを待つのも面倒なのでさっさと起こそうか。


 僕はジャバウォックに聖魔法第4階位"キュア"の魔法をかけ毒状態を直し、顔を一発叩いてからエクスヒールをかけた。


〈うぅぅ、一体何が……はっ!? 我、気絶してたのか?〉


 無事? 気がついたジャバウォックに状況を説明してから、とりあえず謝っておいた。面倒ごとになる前に。と言っても、ジャバウォックは自分から仕掛けた手前、苦笑い(だと思う)しながら『やられたわい』って言っていた。ドラゴンの表情はよくわからないけど。


 ジャバウォックの興奮も冷め、一段落付いたところで僕はようやく本題に入ることができた。


 僕が天国の扉ヘブンズドアーであったことを話すと、真剣な顔つき(だと思う)で聞き入り警戒すると約束してくれた。


 ついでに僕の進化先に出ていた種族についても聞いてみた。


 ジャバウォックは遙か昔に女神から聞いたような気がすると言って教えてくれたのが……


真竜人トゥルー・ドラゴノイド…女神が直接創り出した竜人の始祖。物理攻撃力が非常に高く、その力は神にも届くほど。


上位魔人グレーター・デーモン…女神が直接創り出した魔人の始祖。魔法攻撃力が非常に高く、その魔力は神をも脅かすほど。


上風人ハイ・エルフ…女神が直接創り出した風人の始祖。知力が非常に高く、その戦略は神をも欺くほど。


古地人エルダー・ドワーフ…女神が直接創り出した地人の始祖。その手先は非常に器用で、彼等が創る武器は神をも傷つけるほど。


純獣人ピュア・ビースト…女神が直接創り出した獣人の始祖。身体能力が非常に高く、その動きは神をも翻弄するほど。


新人類ネオ・ヒューマン…女神が直接創り出した人の始祖。潜在能力が非常に高く、その成長速度は神をも驚かせるほど。


 だそうだ。ってか新人類ネオ・ヒューマンを選んだのは失敗か? いや、レベルを上げれば、一番強くなれるということなのか? これだけじゃよくわからなけど、とりあえず神に対抗できるくらいの力を得ることができる、ということでいいのか?


 よし、深く考えることは止めよう。


 ジャバウォックは僕の質問に応えてくれた後、真っ黒な水晶をくれた。一瞬、死体をゾンビ化する水晶かと思ったけど違った。この地下迷宮ダンジョンの入り口からここに一気に転移できる水晶だった。

 そう言えば、天国への扉ヘブンズドアーでももらったね。なぜかこの地下迷宮ダンジョンには直接転移できないからありがたい。


 無駄な戦闘はあったけど、忠告も聞いてもらえたし、僕はジャバウォックにお礼を言って、残りの1週間を76階層でレベル上げすることにした。


 そして、武闘大会の2日前に自宅へと戻り、一晩ゆっくり休んだ後、次の日、王都に転移することにした。


種族 新人類

名前 ミスト

ランク SSS

レベル 120

体力 2943/2943

魔力    3436/3436

攻撃力   3132

防御力   3068

魔法攻撃力 3696

魔法防御力 3671

敏捷    3062


スキル

特殊進化

言語理解

詠唱破棄

暗視

念話

矮小化

アイテムボックス Lv30

鑑定 Lv30

ステータス隠蔽 Lv30

思考加速 Lv30

生命探知 Lv30

魔力探知 Lv30

敵意察知 Lv30

危機察知 Lv30

気配遮断 Lv30

魔力遮断 Lv30

体力自動回復 Lv30

魔力自動回復 Lv30

幻惑 Lv30

魔眼(麻痺) Lv30

剣術 Lv15

光其全照出者也

炎魔法 Lv17

水其全包込者也

風其全切刻者也

土其全圧壊者也

雷其全討滅者也

聖其全癒蘇者也

結界其全守護者也

時空其時流操者也

重力其全封込者也

猛毒生成 Lv30

麻痺毒生成 Lv30

睡眠毒生成 Lv30

混乱毒生成 Lv30

痛覚耐性 Lv30

猛毒耐性 Lv30

麻痺耐性 Lv30

睡眠耐性 Lv30

混乱耐性 Lv30

幻惑耐性 Lv30

聖無効

闇無効

光無効

炎耐性 Lv17

水無効

風無効

土無効

雷無効

瘴気 Lv30

硬化 Lv30

雷纏 Lv30


称号

転生者 

スキルコレクター

進化者

大物食いジャイアントキリング

暗殺者

同族殺し

加護主

古の種族

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る