第2話 ツンデレ


アニーの部屋を訪ねてくるジェニー


ジェニー:はーい、アニー、元気?


アニー:はーい、ジェニー。 今日は、どうしたの?


ジェニー:私、最近、日本(ジャパニーズ)ボーイに、モテる方法を考えているんだけど、なかなか思い浮かばないのよね

ジェニー:アニーは、何か知らないかしら?


アニー:どうしたの、ジェニー、日本ボーイだなんて

アニー:この前までイタリア人にぞっこんだったじゃない


ジェニー:勿論、イタリア人もステキよ、でも飽きちゃったの、今は日本ボーイがクールでステキなのよ


アニー:ジェニーは相変わらずね


ジェニー:ねぇ、アニー、何か知らないかしら


アニー:そうね、私もよく知らないけど、日本のアニメでは、日本ボーイは「萌える」のが好きらしいわね


ジェニー:なんですって? 日本ボーイは、燃えるのが好きなの?

ジェニー:ひょっとして、ビキニで、ファイヤーダンスを踊るみたいなやつ?

ジェニー:こうやって、ファイヤー! ドンドコドコドコド・・・


アニー:ジェニー、待ってよ

アニー:そうやって、ファイヤーダンスを踊るあなたも魅力的だけど、ちょっと違うのよ


ジェニー:ビキニじゃないって事?


アニー:ファイヤーダンスじゃないって事よ


ジェニー:あらそう・・・じゃぁ何なのよ


アニー:そうね、例えば「ツンデレ」とか


ジェニー:アニー、それは本当なの?


アニー:えぇ、本当よジェニー、でも、どうしてそんなに驚くの?


ジェニー:だって、もう「詰んでる」んでしょ


アニー:詰んでるんじゃなくて、ツンデレよ


ジェニー:なによ、そのツンデレって


アニー:「ツンデレ」は、「ツン」と「デレ」よ


ジェニー:「ツン」と「デレ」?

ジェニー:「トム」と「ボブ」みたいな?


アニー:ははは、違うわよジェニー、ツンは、ツンツン、デレは、デレデレなのよ


ジェニー:益々(ますます)分からなくなってきたわ


アニー:ツンツンというのは、相手に対して、冷たい態度をとる事よ


ジェニー:アニー、冗談はやめて頂戴


アニー:どうしてよ、ジェニー


ジェニー:日本ボーイは冷たくされて、喜ぶっていうの?

ジェニー:それじゃ、変態よ


アニー:違うのよ、ジェニー


ジェニー:何が違うのよ


アニー:ツンツンの後に、デレデレがあるから喜ぶのよ


ジェニー:デレデレですって?

ジェニー:まるで、雨の日に子供が外で遊んでるみたいな?


アニー:それはドロドロでしょ


ジェニー:じゃぁ、デレデレって、何なのよ


アニー:デレデレというのは、相手に対して、甘えた態度をとる事なのよ

アニー:だから、ツンデレというのは、冷たい態度をとられたかと思うと、急に甘えた態度になったりする事ね


ジェニー:アニー、それ本当?


アニー:本当よジェニー


ジェニー:冷たくしたり、急に甘えたり、冷たくしたり、急に甘えたり?


アニー:えぇ、そうよ、それが「ツンデレ」ね


ジェニー:きっとツンデレは、心の病気ね、一度病院に行った方がいいわよ


アニー:違うのよジェニー、わざとそういう態度をとるんですって


ジェニー:どうして、そんな事をするの?


アニー:それが「ギャップ萌え」ってやつらしいわ


ジェニー:キャップが燃えたって、困るだけじゃない


アニー:うーん、ギャップ萌えの説明は難しそうだから、やめておくわ


ジェニー:そうね、それがいいわ


アニー:とくかく、日本ボーイにモテたいのなら、ツンデレを練習しなきゃ


ジェニー:私に出来るかしら?


アニー:私がセリフを調べてあげるから、練習してみましょうよ


メモを渡されるジェニー


アニー:じゃぁ、メモに書いてあるセリフを言ってみて


ジェニー:分かったわアニー、上から順に言えばいいのね


アニー:そうよ、折角だから私もやってみるわ


ジェニー:分かったわ


アニー:じゃぁ行くわよ、3、2、1、キュー!


以降のツンデレセリフはツンデレではなく、悪意のある感じで


ジェニー:じゃぁ、まずこれからね『別に、あなたの事なんて、好きじゃないから』


アニー:次は私ね『好きじゃないって言ってるでしょ、勘違いしないでよ』


ジェニー:で、次はこれね『あなたの顔なんて、別に見たい訳じゃないのよ』


アニー:次はこれ『そんな事言って、私が喜ぶとでも思ってるの?』


ジェニー:で、最後はこれね『何勘違いしてるのよ、バカじゃないの?』


ジェニー:アニー、どうだった?


アニー:ジェニー、私はなんだか、悲しい気持ちになってきたわ


ジェニー:私もなんだか申し訳ない気持ちだわ


アニー:こんなのがいいだなんて、日本ボーイって不思議よね


ジェニー:そうね、私はもう日本ボーイは諦める事にするわ


アニー:それがいいかもね


ジェニー:うーん、イタリア人も飽きちゃたし、

ジェニー:アニー、やっぱり私はあなたがいればいいわ

ジェニー:あっ、で、でも勘違いしないでよね、す、好きとか、そういうんじゃないんだから


アニー:わ、私だって、そ、そんな事いわれても・・・こ、困るじゃないのよ・・・バカ


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洋画風シットコム(女性サシ合冊) Danzig @Danzig999

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