第224話 旧友
『もふもふ
【日本探索者協会から打診するまでもなく蒼唯様宛に招待状が届けられていました。いつでもいらしてくださいとの事です】
「それは良かったです。じゃあ早速行くです!」
【は、今からですか!?】
ちょうど休日であったことなどタイミングが良かったにしろ、蒼唯にしては俊敏すぎる動きに驚くリリス。
驚いたのはアメリカ側もであった。招待状を送り、いつでもいらしてくださいとは言ったが、こうも早く来るとは想定外であった。それもその筈。アメリカ内で蒼唯は、アメリカ国内で有数のギルドの勧誘を悉く躱しただけでなく、あまりにしつこいスカウトに手痛いしっぺ返しを喰らわせた事から、『
そんな蒼唯が招待状一つで即座に現れれば、驚くのも当然であった。
『もふもふ
しかしちょうど責任者が不在であったため、待合室のような場所で暫し待つようにお願いされた。
そうして蒼唯たちが待っていると、リリス(verぬいぐるみ)が口を開く。
【……ここまで来てしまったので単刀直入に伺いますが、蒼唯様は神楽坂敦という方に心当たりはありませんか?】
神楽坂敦、今回の『もふもふ
リリスは蒼唯の反応や、過去のアイディア帳に書かれていたアイディアと今回の計画が一致している点などから、この者と蒼唯の間に何らかの今回があると思い調べていた。
「神楽坂敦です? 知らないで……神楽坂?」
【では、
「……結羽ちゃん。久しぶりに聞いたです。ここでリリスから結羽ちゃんの名前が出るってことは、やっぱりそういうことです?」
【はい。『もふもふ
調べた結果、蒼唯と関係があるのは、妹の方であることが判明した。妹の結羽は、中学1年生まで蒼唯や輝夜と同級生であった。
「昔からそういうの計画するの上手でしたけど、向こうに行って磨きが掛かってるですね」
【そうなんですか】
しかし、リリスが分かったのはそこまでである。『もふもふ
「結羽ちゃんは、私の可愛いものを造る能力は沢山誉めてくれたですけど、それ以外の、特に何かを造る前の準備と造った後の維持が壊滅的に下手だってこき下ろされたです」
【準備と維持ですか】
「前に『もふもふ
「蒼唯ちゃんは、訳わからない場所に突然それを造っちゃって、皆がパニックになっている間に楽しんで、その有用性に皆が気が付いて利用しようとした頃には、蒼唯ちゃん自身飽きちゃってそれに関与しなくなっちゃう。そんな展開が目に見えますって言いましたね」
蒼唯とリリスの会話に割り込んで来た者がいた。その者をみた蒼唯の表情が綻ぶ。
旧友との久しぶりの再開であった。
「結羽ちゃんです」
「蒼唯ちゃん、お久しぶり。約束……は蒼唯ちゃんの事ですからうろ覚えでしょうが、来てくれて嬉しいです」
「よく分からんですけど、何となく結羽ちゃんだろうなと思って来たです。勿論、お土産も持ってきたです!」
「ふふ、どうせ意味の分からないお土産なのでしょう」
「そんなことねーです。『もふもふ
「ほら、訳わからないじゃないですか。まあそれが蒼唯ちゃんらしさですね」
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