第183話 掲示板26

とあるダンジョンが蒼唯要素強すぎる件について


1

某所に発生したダンジョンのコンセプトが

『絶品の茸料理と極上の睡眠を提供し、とある神様に祈りを捧げるダンジョン』らしい


2

それは、蒼唯だなw


3

しかもダンジョン内に建てられている神様を模した像が蒼唯そっくりなのが、またね


4

最早、隠す気なくて草


5

まあ、ダンジョン創れること公表してるからな


6

え?

じゃあそのダンジョンも『蒼の錬金術師』が創ったってこと?


7

それは不明


8

パッと見た感じ、蒼唯要素というか『ぬいぐるみ』たちの要素が詰め込まれた感じするな

茸と睡眠、創造主を崇めてる感じも


9

じゃあ、真ダンジョンブレイクの派生の可能性も?


10

ブレイク破壊』の派生で『クリエイト創造』しちゃダメでしょ


12

言葉の意味的に正反対なんですが…


13

創造は破壊から始まるから、まあ誤差だよ誤差


14

まあ、これまでも真ダンジョンブレイクが起こった後は、人類に都合の良いダンジョンに造り変わるって言われてたしな


15

てかさ、全世界のダンジョン災害が突然収まって、その後直ぐにこのダンジョンが発見されたんだよね?

無関係なの?


16

関係はあると思う

それを公式で認めるかどうかは分からない


17

関係あるだろ絶対

タイミングが絶妙過ぎる


18

いや、関係無い方が面白いぞ

世界の危機を放って、全く別のダンジョン創造してたってことになるから


19

うーん、蒼唯ってあんまり目立つの好きじゃないイメージだし、こんな、ザッ蒼唯って感じのダンジョンは創らない気がするな

どちらかと言えば『ふわふわ研究所』みたいな感じの方が、蒼唯が創るダンジョンのイメージに合うな


20

まあ、ダンジョン災害の件も含めて来馬とかが聞いてくれるさ

信じて待とう


21

ほんの1年の間に、国内随一の商業系ギルドのトップって肩書きよりも、蒼唯のマネージャーって肩書きの方が有名になった男だ

頑張って欲しい


――――――――――――――――


 蒼唯がやらかす度に、正確な情報を収集し、公表できる内容と出来ない内容を選別し、場を設けて公表する。

 いつの間にか、この仕事が柊の中で最も重要な仕事だと認識されるようになってしまってから久しい。


 今回は2件続けててあったためか、流石の柊も驚き疲れている様子であった。

 そんなギルマスを気遣うのは、副ギルドマスターであった。


「はぁ、全くだぜ」

「お疲れ様、それで、蒼唯さんは何て?」

「ああ、取り敢えずダンジョン災害が起きた原因は突き止めたらしい」

「やっぱり」

「原因は、アオっちの話じゃなけりゃとても信じられなかったが、1匹のダンジョンボスの能力らしいぜ」

「い、1匹の? それは…普通は信じられないわね」


 『悪魔化』事件の際の『神没』デルビのような、ダンジョンを抜け出して悪さをするモンスターご要ることは知っている、柊たちであるが、普通はダンジョンモンスターは例えボスであろうと、出現したダンジョン内でしか、その影響力を発揮出来ないというのが常識であるのだ。

 1匹のダンジョンボスが、他のダンジョンにまで影響を及ぼす。しかもちょっとしたことではなく、ダンジョンブレイクを引き起こすほどの影響である。

 簡単に信じられる方がおかしいのだ。


「そのダンジョンボスの拠点であるダンジョンを『ぬいぐるみ』たちが発見したらしいぜ」

「偶然、ねぇ」

「そこに突っ込むなよ。偶然なんだよ偶然」

「はいはい。それで?」

「それで、ダンジョンボスを含めてダンジョン自体は攻略したらしい。攻略したタイミングとダンジョン災害が終息したタイミングはほぼ一致しているから、そのボスが原因でまず間違いない。その後、ダンジョンが蒼唯色に染まった形で創り変わったのは、ぬいとまっくよが勝手にやったらしく、俺っちのメッセージで初めて知ったんだと」

「な、なるほど…」


 ツッコミ所は満載だが、殆ど事実なのだろうという謎の信頼がある。


「ただ、ダンジョンの核心部分については、相変わらず一切教えてくれないぜ。教えられない程ヤバイことなのか、教えても俺らにはどうにもならない事なのかは分からないが」

「蒼唯さんにとっては心底どうでも良い事だから教えるとかって考えにも至らない可能性もありますが?」

「……それがあり得るのが怖いぜ。まあ、ダンジョンについては、研究用ダンジョンが送られているからな。研究者たちに期待したいところだがな」


 と口では言いつつ、期待が薄いことは柊にも分かっている。

 しかしダンジョンすら提供している蒼唯に、更に答えまで聞くと言うのは、流石の柊にも出来ないのであった。


 



 

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