第17話 下半身スピードスター

「創星主様への冒涜の前に、まず俺への冒涜やめろよ!」


 シスターってみんなに公正、公平なんじゃねえのか?

 俺への当たり強くねぇ!?


「っていうか、なんてこと言ってくれるんだロッテ! シスター様信じちゃっただろ!」


 ズズズズズと頭をこちらに向けるシスター。

 美少女なのに目が怖いよ!

 両目から闇が噴出しそうな恐ろしさだよ! シスターなのに!


「先に私を裏切ったのはご主人様でしょ!」

「俺は長いものに巻かれるタイプなの。国とか教会とか、でかい組織に喧嘩売るのは死んでも嫌なんだよぉぉぉ!」


「――痴話喧嘩は止めてください」


 気づいた時には、少女の錫杖が俺の喉元に突きつけられていた。


「なっ!?」

「っ!?」


 速い。全然気付かなかった。

 だが俺が気付けなかったのは別にいい。

 それよりも問題なのは、ロッテも俺と同じく驚きの表情を浮かべているということ。

 それは、この少女がロッテの想像を超える速度で動いたという何よりの証拠。


「ちょ、痴話喧嘩だなんて勘違いしないでよね! 違うから、まったく何を言い出すのよ、この子は! ね、ツクモ、私たち別にそういうのじゃないもんね、ね!」

「驚いてたのそこかよ!」


 焦って損した。


「余裕ですね。ロッテと呼ばれていましたか? 聞かない名前ですが、アナタ、かなり強い力を持った悪魔ですね」

「ふふん、まぁね。私の名前を知らないとは世間知らずのようだけれど、力を見る目だけはちゃんとあるようね」


 調子に乗って、そのでかい胸を張るロッテ。

 俺が全然大悪魔扱いしないから、それなりの扱いを受けて嬉しいのだろう。


「十年封印されてたくせに、他人に世間知らずとかよく言えるな」

「うるさいですわよ、ご主人様!」


 そんな俺たちのやり取りを見て、目の前の少女――確かクルリと名乗ったか――クルリは、その目を驚いたように見開く。


「まさか……本当に? 信じられない。悪魔ロッテ、お前は本当にこの30秒で似顔絵が描けそうな造形の浅いマヌケ面の男と人異の契約を交わしたというのですか?」


「俺はシスターに言葉責めされて悦ぶ性癖は持ってないので、ちょっとは手加減して貰えませんかね!?」


「そうよ、不本意だけれどね。この30秒で似顔絵が描けそうな造形の浅いマヌケ面が、私のご主人様なのよ」


「お前も人の話聞けよ!」


「そうですか、この30秒男が……」


 もう嫌だ。この人たち全然人の話聞いてくれない。


「っていうか、30秒男は止めてもらえませんかね。別の意味の役立たずに聞こえるんで……」


「別の意味って?」

「何の話でしょうか?」


「うっ……それは」


 そうだよな、こいつらは悪魔にシスターだ、下ネタという概念すら知らないのかもしれない。

 思いっきり下ネタの連想をしてしまった俺の思考を説明したら……きっと変態扱いされて、今以上に非道な扱いを受けるに違いない。


 ここはスルーしておくか。


「いや、何でもない。話を続けてくれ……」

「そう? 変なツクモね……」


「では、話を続けましょう。で、そこの下半身スピードスターが、アナタの主人ということで良いのですね?」


「はい、ダウトォォォォォォッ!!!」




────────────────


 どうも定期的に湧く☆☆☆くれくれ妖怪です。


 新たな美少女クルリが登場したことですし、勢い余って☆☆☆とかフォローで応援して頂けたら嬉しいです。


 カクヨムは☆を入れるページが分かりづらいのですが、トップページや最新話のページで可能だと思います。


 もっと多くの方に作品を読んで貰いたいので、是非よろしくお願いします!


『☆を貰う>ランダムで注目作品に乗る>読者が増える>連載が続く』という流れだそうです。


さっき知りました。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る