第5話・女の子の胸に顔を埋めさせて、思いっきり泣いてもいいから……ご主人の心を癒してあ・げ・る

◯激しい雨から避難した公園のガゼボ〈西洋東屋〉


//SE・雨の音。


「雨、やまないですね……ご主人」


//・ご主人とアリエスの服が、雨で透けて見えている。


「えっ、あたしの白いメイドシャツが雨で透けて、乳房丸わかりで。乳首まで見えていますか。はい、そうです……あたしは、ご主人の所有物でモノですから基本ノーブラです。なに、顔を真っ赤にして恥ずかしがっているんですか? ご主人」


//・アリエス少し、からかい気味の口調で。


「……もしかして、濡れたシャツが、女の子のノーブラの肌に張り付いているの見たの、初めてですかぁ?」


//・アリエスのフレンド・ドールの体を使った芸。


「ヒマだから、このフレンド・ドールの体を使った。一発芸でもして時間つぶしましょうか──ご主人、あたしの胸に注目」


//SE・プクゥゥゥと、乳房が膨らむ音。


「は~い、オッパイが大きくなりましたぁ♬ 笑えるでしょう、お尻のサイズと形も、ご主人が望む形に。えっ? 自信なくすから胸のサイズは元にもどしてくれですか? ご主人がそう言うなら」


//SE・シュゥゥゥと、乳房がしぼむ音。


「は~い、元のサイズにもどりました……どうしました? ご主人、体震えていますよ。もしかして、雨に濡れて寒いんですか? それは、いけない……人肌ヒートモード発動、これから、あたしは暖房器具になります」


//・アリエスの体から、湯気が昇り発熱していく。


「ハグして温めますよ、ご主人……大丈夫ですよ、雨が降る公園のガゼボで、女二人が抱き合っていても、誰も来ませんから」


//・ハグして、雨に濡れて震えている、ご主人の体を温めるアリエス。


「ご主人は、いつも無理して、がんばりすぎなんですよ……社会人になって、誰もご主人の頭をナデナデしてくれないでしょうから。今日は、あたしがご主人の頭をナデナデしてあげます」


//SE・水たまりに水滴が、弱い波紋を作る雨音。


「いつも、がんばっている。ご主人の頭をご褒美ほうびナデナデ……あはっ、ご主人の顔、赤くなっているカワイイ……雨やんで、空に虹がでてきましたね。そろそろ行きましょうか、ご主人」



◯ファストフード店内


//・向かい合って座って、ご主人の顔を微笑みながら、じっと見ているアリエス。

ハンバーガーを食べ終わったご主人、ジュースを飲んでいる。


「♬『バーガー、バーガー、ハンバーガー。家族で大好きハンバーガー、友だちも大好きハンバーガー、みんなが大好きハンバーガー。パテは最強ハンバーガー』……今の歌ですか? このフレンド・ドールの体がタイアップしている。ファスト・フード店のコマーシャルソングです。店内では数回は歌うように設定されています……気にしないでください、ご主人顔赤いですね」


//SE・店内のお客ガヤ声。


「ジュースを飲んでいる顔をアリエスに、じっと見られると恥ずかしいですか? いいじゃないですか、ご主人さま自分では気づいていませんけれど、カワイイんですから……内面も」


//SE・椅子から立ち上がる音。


「ご主人さま、どこへ……あっ、トイレですか」



◯女子トイレ。


//SE・トイレの水を流す音。

//SE・洗面台で手を水で洗う音。

//SE・トイレのドアが開く音。


「ご主人、トイレ終わりましたか? 中に入ってもいいですか? まぁ、ダメだと言われても女同士だからる、女子トイレ入っちゃいますけれどね」


//・いきなり、鏡の前で背後からご主人に抱きつくアリエス。

洗面所の鏡には、背後からアリエスに抱きつかれた、ご主人の姿が。


//・アリエス、耳元で囁くような近い声で。


「うふふふっ……ご主人の心臓の鼓動が、あたしのオッパイにも伝わってきます……ペットの気持ちを理解するように観察するのも飼い主の役目。さっき、じっとご主人を見詰めていたのは……ご主人の秘められた願望を、表情の変化から探っていたんです」


//・アリエス、ご主人に背後から抱きついて胸を軽く触っている。

アリエス、少しエッチな口調で囁く。


「こんな風に背後から抱き締められるコトを望んでいたんでしょう……ほぅら、鏡の中で女の子がメイドに後から、抱きつかれて顔を赤らめていますよ……うふふふっ」


//・この時、トイレのドアが開いて。中に入ろうとしていた、女性客が見なかったように静かにドアを閉める。


//・アリエス、トイレに入って来なかった女性客に向かって。


「違うんですお客さん、女の子同士で変なコトしていたワケじゃないんです。これは、ペットとのスキンシップなんです。その証拠にお腹の方もちゃんと撫でますから……よし、よし、よし」



◯ご主人のアパートの部屋。


//SE・夜の時刻を知らせる音。


「おかえりなさい、ご主人……今日は、ずいぶんと遅い帰宅で……もしかして、お酒飲んでいません?」


//SE・ご主人、倒れるようにアリエスに抱きつき、アリエスが後方の床に転倒する音。


「出迎えに玄関に出たら。いきなり抱きついてきて、会社で何か嫌なコトでもあったんですか?」


//SE・女性の泣く、嗚咽声。


「いいんですよ、あたしの胸に顔を埋めて、思いっきり泣いて吐き出しても……全部受けと止めて、体と心を癒してあげますから。ナデナデ」


//SE・ご主人の安堵した、静かな寝息音


「安心して眠っちゃいましたね……ご主人、うふふふっ。さてと、ご主人のおヘソの穴は、どんな形をしているのかなぁ」

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