第6話 1年生 4月 学校編5 青影大輝

 そんなわけで翔馬をバスケ部に誘ったことを次の日に楓に言った。楓自身も興味があったらしく誘ったらいいと思っていたらしい。


 それから、翔馬とは頻繁に連絡を取り合い、勉強やバスケ、ゲームなどいろんなことについてお互いを知る事ができた。


 2月の中旬に星稜高校の合格発表があり、お互いが合格したことを報告した。翔馬はとても喜んでいた。


 そして、翔馬とクラスメイトになった。


「気にしてたんだぜ。どのクラスになるか。けど一緒で心強いわ!」


「ほんとっ。知り合いが1人いるだけで全然違うわ」


「なあ、お前らバスケ部?」


 そう尋ねてきたのは肌が焼けていて短髪で高身長の男だった。


「そうだけど?もしかして君も?」


「まじか!この学校バスケ部ないって聞いてたから安心したぜ。あ、俺は青影大輝って言うんだ、大輝って呼んでくれ!よろしくな!(あおかげ だいき)」


「よろしく!大輝!俺が優夜、この爽やかイケメンが楓、このチビイケメンが翔馬」


「イケメンじゃないけど嬉しいから許すけどチビは余計だ!」


「僕もそう言うのはよしてくれ」


「おっけ!てか、本物の2人?」

 

「大輝が言ってる本物が俺の予想通りなら本物だよ。この2人」


「まじかよ。やっぱりオーラあんね」


 大輝の目つきがさっきまでの和かな表情から獲物を狙うような目へと変わった。空気がピリついたことを2人も感じたり、少しだけ身構える。


「そう構えないでよ。やっぱ選手としては強いやつってのはオーラが違うのってなんとなく分かるじゃん?少しだけ知りたくなっただけだよ。2人もだけどお前も」


 大輝は俺たちだけでなく翔馬のことも試したらしい。


「翔馬がどんなやつか知りたかったけどなるほどな。まだ、足りないけどそれでも強いのは間違いないな」


「ああ、この2人に鍛えられたからな。」


「それはどんなコーチよりも嬉しいな!」


 2人は仲良くしゃべっているのを見て俺ら含めて周りも穏やかになる。一瞬だったが、試合終盤のような集中力を感じとった。はやく、部活がしたいと強く思う。


 4人で話していると教室も8割近くの生徒が登校してきた。あと10分ほどで先生が来て入学式が始まる。


 そんな時、教室が少しだけざわめいてることに気づく。入り口の方に見ると、そこには栗毛の髪色でお淑やかな美女と少し茶髪でボーイッシュな髪型をした元気な美女がいた。


「うわ、可愛いな」


「おお、ちゅらかーぎー(可愛い美人)」


 2人を含め、他の男子がその美人に注目する。

 そして、俺たちも驚いた。なぜなら




 俺たちが最も会いたかった2人だったから

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